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2019.12.20
ダイヤの仕入れ 2

こんにちは

 

いつもありがとうございます

 

 

「インドにダイヤの仕入れに行く」

知り合いとかにそう告げると

 

「ダイヤの原石を仕入れるの?」

 

みたいに言われることが多いのですが、

原石は仕入れません

研磨済のダイヤモンドを仕入れます

 

これが原石です

 

これを研磨します

 

 

この写真にあるコテの先にダイヤ原石をヤニでくっつけて

高速回転する丸いテーブルに押し付けて

削り落とす要領で研磨します

 

これを1面あたり5〜10回、ルーペで確認しながら作業

ダイヤ一個につき54面やりますから

その手間たるや大変なものです

 

昔はインドの人件費はとても安かったので

インドがダイヤ研磨のメッカでしたが

今は高騰してますから

近年はアフリカで研磨している会社もあるそうです

 

日本の人件費では研磨はとても考えられません

 

 

光の加減でちょっと黄色いですが

こういう風に研磨が出来上がって

これを仕入れます

 

 

 

値段ですが

*内包物の多寡

*色

*カット

*大きさ

 

これらの組み合わせで決まるのですが

かなり微妙です

大きさ、以外は数値化が難しい要素です

 

「ラパポート」という

ダイヤの値段表を毎週発行している企業もありますが

ひとつの基準にすぎません

 

ダイヤのバイヤーは自分の得意な方面の

大体の価格表が頭に入っていて

それを基準に値段をふみます

 

 

上の写真のように多数のダイヤモンドでも

天然なので、一粒一粒それぞれが違うキズ、表情を持っています

同じものがありません

 

だいたい傾向の同じもの、を

ひとつにまとめて(ロットといいます)取引しますが

それでも上と下で品質に幅があります

 

ダメなものを選別して落とせば、自分の望むロットになる

そういうロットを探します

丸ごと買えるような均質で文句がないロットはまず存在しませんから、

ダイヤの仕入れは

 

「ロット選別+選別作業」

 

の繰り返しです

 

選んだロットから、たとえばですが、よくあるのが

 

「内包物で20%、色で10%」

 

みたいに、ダメな物をはじき出してもらいます

アソーターという選別専門のスタッフが大勢いて

この「リジェクション」という作業をやってもらいます

 

1日後、できた頃に私がチェック、

ダメならもう一度やってもらいます

 

時間も手間もかかります

 

大きいサイズ2mm以上なら自分で選別をやりますが

1mm以下とかはまずムリです

 

専門の訓練を受けたアソーターでも時間がかかる作業です

 

 

最後に、希望のロットに近くなったら

値段交渉です

 

 

むかし、ブローカー相手の取引では

値段交渉がいちばん時間がかかりました

 

ブローカーにはロットの所有権はなく

別のオーナーがいて

ブローカーは販売先を紹介して、テーブルを貸してるだけ

 

だから、ブローカーもオーナーとの交渉や

オーナーが折れないことを言い訳にしたりして

ひどい時には価格交渉だけで3日かかることもありました

 

 

いまは、研磨している工場との取引ですから

もう値段はある程度決まっていて

相場との、他社との比較の範囲でしか価格も交渉できません

それでも毎回ふっかけてくるところがインド人ですね

 

 

 

こんなふうにして、ダイヤを仕入れてきます

 

 

インド人って数字に強い

そう思っていらっしゃる方が多いと思います

 

確かに強いと思いますが、

その強さの源泉は、あくなき利益の追求、

ここにあると思います

 

私は、強い、というよりも

意地汚い、そう思います

 

でもこちらも「武士の商売」ではやられるだけなので

インド人なみに策を巡らせます

 

次回はこういう話をしようと思います

まだちょっと続きます

 

ありがとうございました

 

 

株式会社J-one

代表取締役 島田逹己

http://www.j-one-net.com/

 

 

 

 

 


2019.10.23
ダイヤの仕入れ 1

こんにちは

 

いつもありがとうございます

 

またインドでダイヤを仕入れています

 

ここがダイヤモンド取引所

ムンバイ郊外にあるBKCという

新しく造成された産業地域にあります

 

1辺が500mくらいの敷地ですが

周囲を高い壁に囲われていて

6ヶ所くらいのゲートでは監視員がいて

登録していないと入れません

 

周囲は商業ビルばかり

それも世界的な企業や地元の大手

アメリカ商務省の出先機関などですから

この一角だけ、異様です

 

この中にダイヤメーカーやブローカーなど

数えたことありませんが

机ひとつのブローカーから

ワンフロアー占有するような大手まで

大小1000社以上はあるでしょう

 

大きい会社では、

インドも日本と同じで銃は規制されているはずですが、

なぜか、銃を持った警備員が入り口にいます

(写真を撮ろうとすると、ダメと言われます)

 

ここで年に6〜8回くらい仕入れをします

 

 

こんな感じです

 

 

こういうまとまったロットを仕入れることもあれば

サイズごとに買う場合もあります

 

このロットは大きい方です

ふつうはこの半分〜2割くらい

 

大体の粒の大きさと品質で分けてあります

ちょっと専門的ですが

小さい方からサイズでいうと

−2(マイナス2)

スター

メレー・・・と呼ばれています

 

品質と色でも分けてあり、

それぞれの会社で自分たちの分け方で品質分けしてあります

 

 

値段はだいたい日本で買うより、

10%〜20%くらいやすいのですが

あまり買いに来るメーカーはありません

こちらに来ているのはほとんどが専門の輸入業社さん

 

なぜか、というと

メーカーはふつう、色々な品質のダイヤを

お客様の注文によって使い分けるので

全てをストックしておけません

必要な時に必要な品質とサイズのダイヤを、

専門業社さんに注文して持ってきてもらいます

 

 

じゃ、なんでJ-oneは、わざわざ?

 

当社はブランド企業専門メーカーなので

使うダイヤの品質が同じです

その時々でダイヤの品質を下げたりすることはありません

デザインによりサイズが違うだけで

使うダイヤの品質はお客様との約束で、決まっています

だから、まとめて安く買った方がおトク

 

 

それと、もうひとつ

重要な理由があります

 

カットと原石にこだわって仕入れているからです

 

 

ダイヤの「輸入卸売」というのは付加価値をつけにくいビジネスです

どこの業者から仕入れても

値段が同じなら品質もほぼ同じ

当社ならでは

当社だけ

そういう差別化をしにくいビジネスです

だからどうしても「値段競争」になってしまいます

 

値段競争になれば、真っ先に重視されるのは

「ダイヤのキズ、内包物」

 

このキズのはいりぐあいで

ダイヤのグレードが決まるからで

そのグレードを基準にして

多くのメーカーさんは仕入れます

 

だから輸入業社さんはキズの多少で仕入れてきますから

どうしてもキズっけ優先で

カットが甘いダイヤになってしまいがち

 

 

ところが、キズが少なければ光るか?

というと、必ずしもそうではありません

 

低いグレードならばキズと色が大切ですが

あるレベルを超えると

キズはもちろんですが、光るためには

原石の質と、カットも大切

 

極論すれば

少しぐらいキズがあっても

(お客様との約束でそうはいきませんが)

原石とカットが優れていれば、キレイ、だし

 

キズがなくても

ボケた原石でカットが悪ければ

キレイに光りません

 

だから自分でムンバイに行って

キズだけでなく、カットと原石にこだわって

光るダイヤを仕入れたい

 

 

ダイヤを知っている人ほど

ダイヤに求めるのは、素材とカット、です

 

自分用に選ぶなら、

VSとかVVSとか関係なく

Dカラー(無色)で

カットの良し悪しで選びます

(私も奥様にはそうしてます)

 

個人的には、「ナッツ」と呼ばれる

純粋炭素になりそこなった、黒いカーボンが

すこーし微妙に入っているダイヤが好きです

透明度が高く硬いせいでしょうか

スカッとまぶしく輝きます

(これも規定に反するので仕入れませんが)

 

 

反対に避けているが

微妙にブラウンのダイヤ

(オフ・ホワイトとかTTLBといいます)

 

このダイヤは製品にすると色が飛んでしまって

プロじゃないとわからないので

儲かるのですが

(これ専門の輸入業社さんがいます)

だいたいこういうダイヤは原石がボケてます

いくらキズがなくても、

キレイじゃありません

 

製品にしてスカッとしない

 

ほんとうはこういうダイヤの方が

安いし儲かるし、

インド人も「プレゼント」みたいに

好意で売ってくれようとするのですが

仕入れません

 

やっぱり、キレイな製品のほうが

お客様もユーザーさんも好きだと思うのです

自分だったらそうですし、

わかってて光らないダイヤは使いたくありません

 

 

ブランドさんが

「J-oneさんの製品はきれい」

そう言ってくださるのも

やっぱりダイヤのカットと色が揃っている

そういう理由も大きいと思います

 

 

ほんとうは

あんまりインドに来たくないのですが

製品のキレイさのためには

大切な業務です

 

 

ありがとうございました

 

株式会社J-one

代表取締役 島田逹己

http://www.j-one-net.com/

 

 


2019.09.17
正社員の職人

こんにちは

 

いつもありがとうございます

 

 

J-oneはジュエリーメーカーです

自分たちで作りますから、

社員は専門職が多く

特に製作する職人は正社員がほとんどです

 

そう書くと、「あったりまえでしょ」

って言われそうですが

ジュエリーの場合、多くのメーカーは自社で作らず

外注さんに出すことが多いんです

 

メーカーなのに外注さん使うって

「メーカーじゃないでしょ」って

そう思わないでください

 

会社の方針によって

外注さん使う方が有利なことも多いんです

 

 

 

ジュエリーの製作って値段競争が激しいんです

ダイヤの値段も、金の値段も

国際相場ってものがあります

 

金は誰が買ってもほとんど同じ値段ですし

ダイヤだって、インドまで行って買っても

日本より10%安いくらい

 

だから値段競争は「工賃」になります

工賃は人件費

だから外注さんに出した方が値段競争では有利なんです

 

 

自社製作っていうと

「自分で作るんだから安いでしょう」

そう思われるかもしれません

 

実際には、費用の点では

外注さんの方が安いんです

 

正社員で製作すると

残業代も賞与も必要ですし、

退職金の積み立てや社会保険などがかかります

 

また、採用しても戦力化するまでに

2年程度かかりますから

ひとりあたりの育成費も500万円以上かかります

 

外注さんを使えばそういう費用がかからず

1ついくらでやってくれますから

品質にこだわらないならば

外注さんを活用する方がお得です

 

だから、値段競争をするならば、

値段重視の顧客に向けた製作ならば、

職人さんを正社員で採用せずに

外注さんにお願いした方が圧倒的に有利

 

ですからそういうメーカーさんが多いんです

 

 

 

外注さんは、1ついくら、で受けます

ですから、本数をこなすことが収入増へつながります

 

スピードを訓練してますから

外注さんの中にはすごい人がいます

信じられないくらい早い

ひとりで100万円くらい月に稼げる人もいます

 

そういうひとは

検品がとおるギリギリの線を見切って納品してきますし

めんどうで手間がかかる製品はイヤがります

修理も「そっちでやってくれ」

 

ひとついくら、で受けてますから

それが人情ですね

 

 

当社でも昔はそういう外注さんにお願いしてました

社内と外注さんで半々くらい

 

でも、品質重視に切り替えて

全部社内で作り始めました

 

外注さんではどうしても丁寧な仕事は嫌がられますし

正社員なら品質を追求しやすいからです

 

職人さんのなり手が減ってきているので

将来は作り手が不足することが

目に見えていたこともあります

 

 

製作職人の仕事って

かなり適性が必要です

 

こういう細かい作業や

物を作ることが、

好きな人じゃないと長く続けられません

 

だらだらやってても上達しないので

向上心がないひとにも向きません

 

 

そもそも、

ジュエリーの仕事全般にいえますが

「好き」がいちばんです

 

宝石が好き

きれいなものが好き

作るのが好き

新しいものを生み出すことが好き

 

そういう気持ちがないと

きれいなものを生み出せません

 

 

原型を作る際にも

「こうした方がきれい」

とか

「もっと良くするには・・」

っていう工夫やノウハウが必要だし

 

ダイヤモンドを選択するにも

手間をかけてでも、

カットを揃えたり、

少しでもきれいなものを追求する気持ちが必要です

 

製作は手間と時間をかけなければ

ていねいな仕事はできませんから

 

そういうことをイヤがらずに

できるスタッフがいなければ

きれいなものは作れません

 

だから品質って、技術っていうよりも

人が作るんです

そういう人材をそろえないと

美しいジュエリーはできません

 

 

ほんとうは、もうけるためには

そういうことはしない方が儲かります

 

手間や品質などはコストだからです

 

少しの品質の差なんて

ダイヤモンドの良し悪しだって

宝石を留める爪の形や大きさなんて

 

よっぽどのプロでもない限り、

わかりゃしません

 

だから、美しさを追求しないで

そこそこ、でやめといた方がもうかるんです

 

でもそういうのって

「好き」と同じで、性分ですね

 

 

そういう、少しでもきれいな方がいいよね

J-oneの社員さんは

そういうひとばっかりです

 

ありがとうございました

 

株式会社J-one

代表取締役 島田逹己

http://www.j-one-net.com/

 

 

 

 


 

 

 


2019.09.09
湘南OWS

こんにちは

 

いつもありがとうございます

 

 

先週土曜日に湘南で

「オープンウォーター・スイミング 10km」

の大会があり、参加しました

 

オープンウォーターって

ご存じない方も多いと思うのですが、

海で泳ぐマラソン大会、みたいなものです

 

湘南大会の場合、

逗子海岸を出て湾内を一周したのち

1kmくらい沖に出て、江ノ島を目指します

 

 

バカげたスポーツでしょう?

 

実際出場してみると

バカ以外何ものでもありません

 

参加費2万円払って

こんな苦しい思いをして

命の危険もあるのに

見返りゼロ

 

海岸から1km沖を泳いでますから

観客もゼロ


 

この10kmがどれほど苦しいかって、ご説明申し上げると

 

去年は波が荒くて中止になったんです

その中止の報を聞いて、隣のひとは、

「よかったぁ」

と嘆息交じりに言ってました

 

自分で参加申し込みしておいて、

中止になってよかった、って

そういう心理になるほど、つらいスポーツです

 

私もいつも7、8km地点では毎年

「来年は絶対出ない」

そう思いながら泳いでます

 

バカでしょう?

 

 

でもね、オリンピック種目なんですよ

 

だんだん日本でも参加者が増えてきて

日本水泳連盟が認定する

年間で15レースくらいの「サーキット・シリーズ」があり

6月から10月の間に全国各地で転戦します

 

年代別に順位によってポイントがあり

自分の獲得ポイントをサイトで見ることができます

 

これに私も5レースくらい参加しますが

年間で最大のイベントがこの「湘南10km」なんです

 

http://japanows-circuit.jp/list/

 

 

おバカさん達の集合写真です

真ん中より少し右、黒の長い水着が私です

 

 

練習も必要です

毎週2回はプールで練習しないと

10kmを泳ぎきれません

 

湘南は1km、3km、5kmにタイムリミットがあって

5kmを100分以内に通過しないとタイムアウト

 

この5kmまでに半分くらいの参加者が

ふるい落とされるんです

だから普段からスピードと持久力を養っておかないと

1kmでアウトになりかねません

 

だから完泳を目指すだけでも

毎週のトレーニングが必要で

オフシーズンなんて、ありません

 

 

よく聞かれるのですが

「何が楽しいの?」

 

楽しくないです

がんばる自分に自己満足

ただそれだけ

 

自己陶酔型のマゾ体質でないと参加できません

 

 

 

でも、私の仕事も、OWSに似てます

いっつも、チャレンジ

 

小さい会社はどこの世界でも同じかもしれませんが

 

周囲の環境や

経済の浮き沈み

ファッションの流行り廃り

「働き方改革」みたいな社会の潮流

円ドル相場にも翻弄されます

 

それだけではありません

 

当社の得意な「高品質&量産」を

必要とするブランドさんって限られるので

数少ないお客様の事情も当社に影響します

 

技術革新が「合成ダイヤ」みたいな

台風になることもあります

 

 

いつも気が休まらないし

安心していられる時がないので

いつも次に、チャレンジ

 

いつも目先にぶら下がってる困難に

いちいち文句を言っていたら生きていけません

 

ただ現実を受け入れて

準備をして、次にチャレンジ

 

次にチャレンジしている時が

「なんとかなる」

って思える時です

 

 

何のためにこの仕事をしているのか、

わからなくなる時もあるのですが

 

きれいな製品ができたり

お客様に「ありがとう」って言ってもらえたら

ただ単純にうれしい

 

OWSも同じなんです

とにかくがんばる、それしかないし

ゴールできればただうれしい

 

 

目標と今の課題を意識するところも

仕事に似てます

 

 

今年、練習不足がたたって

7km過ぎからすごくバテた

9km過ぎるとき、腕が上がらなくなって

リタイアしたくなりました

 

泳ぎながら2度と参加しないって誓いました

 

ゴールの浜に上がった時

疲労のあまり、すぐに立てなかった

タイムも前回より20分も遅かった

 

 

遅かっただけに

どうすれば、どういう練習をすれば

もっと速くなれるのか

今年のレースは課題もみつかった

 

だから課題を克服して

新しい練習にチャレンジして

 

来年こそ3時間を切りたい

 

 

 

バカにちがいありません

 

ありがとうございました

 

株式会社J-one

代表取締役 島田逹己

http://www.j-one-net.com/

 


2019.08.18
合成ダイヤの本当の怖さ

こんにちは

 

いつもありがとうございます

 

 

今日からムンバイにいます

 

日本にいる時には最近は、毎日、

インド人から電話があります

 

「いつ来るんだ?」

 

「注文はないか?」

 

内容はわかってるので

忙しい時には電話に出ません

 

インド人はゲンキンなので

自分が忙しかったり、儲かってる時には電話してきません

電話があるってことは、

ダイヤが売れてないか、在庫がダブついているってことです

 

最近のウワサでは

大手のサイトホールダーが会社を閉める、とか

大幅に業務を縮小する、

そんな話が多いのもうなずけます

 

 

世界の経済は高成長を続けています

特に新興国で中産階級が育っていますから

ダイヤの需要だって根強いはずです

 

現に、ブランド企業の数字は悪くありませんし

ムンバイの連中だって

2、3年前は勢いがありました

 

でも今年、ムンバイのダイヤ取引量は

大幅に、減っているそうです

 

 

これは合成ダイヤの影響だと思います

 

おそらく数年で

ダイヤ取引の様相は、また、かなり変わると思います

 

 

合成ダイヤモンドの脅威、は

天然に混入してしまうこと、今はそういう脅威です

私たちの信頼性を問われています

 

これはこれでとても大切な問題なので

当社もしっかりと対応してきたつもりなのですが、

ですが、本当の脅威は別のところにあると思います

 

合成ダイヤは私たちジュエリー産業に関わる会社に

もっと根本的な問題を突きつけてくると思います

 

「あなたの作るジュエリーは

 ほんとうにその値段の価値があるのか?」

 

そういうことを問われると思います

 

 

 

合成ダイヤは、同じ値段ならば

天然ダイヤよりもキレイです

 

見た目には完全に天然と変わらず、

同じ輝きを放ちますので

専門家でなければ判別できません

 

ならば、

ファッションで使うジュエリーなら

資産価値を求めないなら

高くて品質がイマイチ天然ダイヤ、ではなく

安くてキレイな合成でいい、

 

そう考えるほうが合理的でしょう?

それが、富裕層はともかく、普通の人の感覚では?

 

今時点では、「合成なんて・・」と言う方でも

もっと一般的になり、

ふつうに合成ダイヤジュエリーが出回るようになれば

抵抗感は薄れるでしょう

 

若い方ほど新しいものを受け入れやすいものですし

今の方は合理的な考え方をします

ブランド信仰もない方が多い

 

合成ダイヤモンドを受け入れる素地は

すでにできあがっています

 

時がたてばたつほど

合成ダイヤは市民権を得るのではないでしょうか?

 

 

ブランドのジュエリーなら

ユーザーは、天然かどうか、っていう問題ではなく

そのブランドを買っている、感覚でしょう

 

だからブランド企業は

世界景気の波に乗っているのでしょう

 

 

そうでないジュエリーは

本当の価値、を問われるのではないでしょうか?

 

中途半端な価格帯や

あいまいな品質の製品では

今までと同じ感覚でモノを作っていたら

合成ダイヤジュエリーに駆逐されてしまうのではないでしょうか?

 

 

いま、18Kではなく、10Kジュエリー

(18Kは金の含有率75%

 10Kは約41%)

が売れているそうですが

 

同じことをユーザーから問われていると思います

 

わざわざ18Kで作る意味はありますか?

ならもっと安い8Kでもいいのでは?

そもそも、金で作る意味がありますか?

 

そういうジュエリーの本質を問う問題を

合成ダイヤは加速させるでしょう

 

ジュエリーのファンの方に

「欲しい、買いたい」

「持っていたい」

 

そう思ってもらえるジュエリーを

あなたは本当に作っていますか?

 

「ジュエリーとは何ですか?」

 

ムンバイの様相を見るたびに

そう問われているのではないかと

背筋が寒くなります

 

 

今まで私たちジュエリー業者は

自分たちの価値ではなく

ダイヤモンドや金のもつ普遍的な価値のおかげで

存在できていたのかもしれません

 

合成ダイヤは

「あなたの存在価値は何ですか?」

そう私たちに問いかけているような気がします

 

 

ありがとうございました

 

株式会社J-one

代表取締役 島田逹己

http://www.j-one-net.com/


2019.07.26
合成ダイヤ 2

こんにちは

 

いつもありがとうございます

 

 

先週の合成ダイヤ記事の追加です。

 

今日の「ラパポート」のレポートにこんな記事がありました

 

 

記事の前半は

ダイヤモンド取引の低調さと

それに伴って原石価格が下がってるみたいな話です

 

問題は最後の2行

この「labo-grown polished」というのは

合成ダイヤのことですが

「インドの新しいデータによると、6月

 合成ダイヤの輸出が64%の増加

 合成ダイヤの輸入(原石とは書いてないのですがおそらく原石)が

 132%増加」

 

おそろしい数値だと思いませんか?

 

このインドより輸出された

24,000,000ドルのダイヤモンドはどこへ行って

どんな製品に使われているのでしょう?

 

これは、正規に「合成ダイヤ」として輸出された分だけですから

天然に混ぜて輸出されたり、

名目を偽って輸出されたものも多いはずですから

実際に輸出された「合成」はもっと多いはずです

 

記事の前半が、天然ダイヤの取引不調を取り上げていますから

よけいに、合成ダイヤの流通量増加が際立ちます

(「天然」の不調は今月だけではなくて、もう1年以上続いています)

 

 

 

昨日知り合いのダイヤモンド輸入業者さんと話していたのですが

 

「甲府のメーカーで合成ダイヤを混ぜて製品化しているメーカーがある」

というウワサ話を聞いたそうです

 

 

こと、お金に対する執着に関して

インド人が世界ナンバーワン、だと

私は常々思っているのですが

 

モラルの点からは

インド人も日本人も、

たいした違いはないのかもしれません

 

 

ありがとうございました

 

株式会社J-one

代表取締役 島田逹己

http://www.j-one-net.com/

 


2019.07.17
合成ダイヤ

こんにちは

 

いつもありがとうございます

 

 

技術の進歩によって、

ダイヤモンドが人工でできるようになりました

 

いえ、昔から製造はできたのですが、

天然よりもコストが高かった

だから天然ダイヤモンドに混じることはなかったそうです

 

ところが製造装置が安価になった

 

始まりは中国だったそうです

 

掘削機械や検査用に合成ダイヤを作っていた会社が

インド人に売った方が儲かることに気づいた

 

 

実は、このブログでもお伝えした「スーラット・ツアー」の参加者に

この合成ダイヤを作ってる社長さんがひとりいました

中国、北京の人です

しっかり名刺はいただきました

 

彼が言うには

最初からインドに売るつもりで製造装置を買ったそうです

自分から輸出するのではなくて

インド人が北京まで買いに来るそうです

 

「儲かる?」って聞いたら

にんまりしてました

 

 

インド人は確信犯的に合成ダイヤを扱っています

 

 

合成ダイヤは見た目には全くわかりません

検査装置を使わなければ、プロでもわかりません

 

すでに、「合成ダイヤ」と言って売っている会社もありますし

黙って天然に混ぜる会社もあります


 

なぜ、わかるの?って

 

J-oneがインドから仕入れるダイヤのうち

合成の疑いが高いものも、わずかながらあるからです

 

J-oneでは

インドのダイヤモンド業者のうち

デビアスのサイトホールダーからしか仕入れません

彼らは正規のルートでのダイヤモンド原石を仕入れるからです

ロシア(アルロサ)などからも買いますが

安定した供給先(必然的に大手鉱山になります)との

安定した関係を保っているからです

 

ちょっと話は外れますが

J-oneの顧客企業様は「コンフリクト・ダイヤ(紛争ダイヤ)」を

使用することを拒否なさいます

ですから原石の調達先はとても大切です

 

その点、原石管理を行わず、

研磨済みダイヤを安ければどこからでも買う「ブローカー」の在庫は

合成ダイヤが混じる危険が高いので避けます

(混ぜたダイヤはカットがバラバラという理由もあります)

 

 

で、輸入する際にはインド側でまず検査します

 

 

この機械です

あとでご説明する「GLIS3000」と仕組みは同じです

 

でもインドの検査は信用できませんから

J-oneでは輸入するダイヤ全てを3種の機械を使って検査します

 

 

合成ダイヤには2種類あります

詳しい説明は省きますが

 

CVD

HPHT

 

この2種類を別々の機械で検査します

 

 

まず、この「GLIS3000」

 

 

合成のうち「HPHT」を検出します

 

インドでも同じ検査機でスクリーニングしてるのですから

この検査機が反応することはほとんどないのですが、

それでもごくわずかながら、合成ダイヤが出ます

 

インド側に任せてはいけません

 

 

で、次に「Mscreen+」

 

 

これは「合成ダイヤ」を検出するのではなくて

天然ダイヤでも2〜3%の割合で存在する

「タイプ2」と呼ばれるダイヤモンドを検出します

 

実はCVD合成ダイヤの全てが「タイプ2」なので

天然でもなんでも、「タイプ2」を外しておけば安心、

そういう検査機です

 

問題は高価なこと

1000万円!

だから日本ではほとんど普及していません

 

この機械ではじくダイヤのうち

どのくらいが合成なのかは調べていませんが

CVDはわずかに黄色いダイヤが多いので

Gカラー以上しか仕入れないJ-oneには

タイプ2でも危険性はないと思いますが、

 

それでも、

インド側にブーブー文句を言われても

タイプ2は返品交換させています

 

 

最後に「FT/IR4600」

 

 

これも「Mscreen+」と同じ仕組みですが

大きいダイヤは調べることができない装置なので

0.2ct以上はこれを用います

 

おもしろいのは、この検査機を作っているのは

人工ダイヤも作っているメーカーなんです

この機械は「人工ダイヤ検出器」ではなくて

もともとは物質の組成を分析する装置なんです

多くは染料や香料、化粧品などのメーカーが検査に使うそうですが

J-oneではこの機械を、窒素の検出に特化したセッティングにしてもらって

「タイプ2」を検出します

 

この検査機も高価なんですよ

 

でもJ-oneの顧客企業様は「品質第一」

だから間違っても合成ダイヤを使うわけにはいかないんです

 

 

おそろしいのは

今の合成ダイヤは見た目にはほとんど天然と変わらないことです

それも、鑑定の訓練を受けた専門家が顕微鏡で判別できるかも、レベル

 

仕入れのプロ、日常的にダイヤに接している、程度では

判別が全くできません

 

お金をかけてでも機械に頼るより

安心できる方法がないんです

 

J-oneにはこのダイヤの鑑別資格を持つ専門家が3人います

ですが、彼らの目に判別を任せることはありません

機械で行うほうが安全確実だからです

 

 

J-oneでは、こんな風に

お金と手間をかけて、

合成ダイヤを弁別しているんです

 

 

合成ダイヤって

まだそんなに安いわけじゃないんです

 

でも知り合った中国人みたいに

儲かるなら、って参入する人はこれから増えると思う

 

数年後には天然物と明らかな値段の差が出てくると思います

そうなれば、

もっと普及するのではないでしょうか?

 

へんな話

同じ価格ならば天然より合成ダイヤの方が「キレイ」

それなら、

安いアクセサリーや10K製品などに割り切って使う分には

おもしろい素材だと思います

 

 

ですが、

「プロでも見分けがつかないなら、シロートさんにはわからないでしょ」

みたいな、ずるい考えだと

強烈なしっぺ返しがくると思います

 

 

ジュエリー業界って

「鑑定書問題」の時も

「サファイヤの拡散処理問題」の時も

 

利益を優先して消費者を騙してた悪徳業社を放置しました

それを週刊誌とかで問題視されて、

不信感を買い、結果的に

業界全体が売り上げを大きく減らしました

 

同じことが起きないことを

願うしかありません

 

 

ビジネスを安定させるためには

社会的な信任が必要だし

得意先だけじゃなくて、社員の支持も必要

 

だから、ウソや隠し事はダメ

 

もしバレたら、ビジネスの前提が崩れるからです

 

 

メーカーやってて思うのは

正直が一番ラクだし、

社員の支持も得られるし、

 

でもね、

やりきれない思いをすることも多いんですよ

 

おいおい、お話ししますね

 

 

ありがとうございました

 

株式会社J-one

代表取締役 島田逹己

http://www.j-one-net.com/

 

 


2019.06.19
GW

こんにちは

 

いつもありがとうございます

 

 

今年のGW,すごかったですね

いままで社会人になってから

こんなに連続して休んだことって、初めてです

 

世のお父さん方は、

休みというよりも家族サービスでお疲れだったのでは?

私も途中で休みなのかなんなのか、

よくわからなくなりました

 

 

友人の経営者の中には

「こんなに休んじゃ仕事にならない」って

あいだに出勤日を設けた人もいましたし、

 

「日本がおかしくなる!」

って嘆いてる人も多数いました

 

 

私も同感に思うところもあるのですが

世の流れ、に逆らっても

企業に得はありません

 

世の流れ、はウチだけの試練ではなくみんな同じですから

その流れに対処しなければ

淘汰されると思うのです

 

 

すでに日本は「休日大国」です

 

友人の説によると

世界で日本より休日が多いのは

南太平洋の「トンガ」とか「キリバス」?だけで

世界で3番目に休日が多い国なんだそうです

 

で、なんでこんなに休みを増やしたのか?

 

官僚が自分が休みたいからって

休みを増やしたわけではないでしょう

 

政策決定者に話を聞いたわけではないので、推論ですが

 

日本は働く人が減っていく

労働者が減る+そのぶん年金受給者が増える

→このままではGDPが減る

→だから労働者ひとりあたりの生産性を高めたい

→むりやり休ませる

 

すると、民間企業は死活問題なので

生産性を向上させないと生き残れないから

いろいろ策を練る

 

こういう図式だと思います

 

 

こういう国策は他の国も、過去に取りました

 

中国は、労働集約的な「世界の工場」から

技術の要らない単純作業の工場を切り捨てて

高付加価値のもの、半導体、電気自動車、などを推進しています

 

タイも、失敗しましたが

単純労働から高付加価値の製造業を目指しました

シンガポールは金融と医療

アメリカ、イギリスは生産性の低い製造業を冷遇して金融を奨励しました

 

日本では他国ほど露骨にできないので

「生産性」だけを取り上げていますが

ようは

「製造業はアジアの低賃金の国に行ったらいかが?」

「高利益率の企業になれないなら廃業しましょう」

 

そう言ってるのと同じだと思います

 

 

たしかに日本は生産性は高くありません

金融立国のルクセンブルグやスイスと比べるのは無理があるにしても

先進国でも生産物が似ているドイツとかと比べても

15%〜20%くらい日本が低いそうです

 

生産性をドイツ並みに引き上げれば

人口が15%減っても大丈夫

10年くらいは問題を先送りできる

だから

生産性の向上、これが人口減に対する日本の政策

 

そういうことだと思います

 

 

わからないではないのですが、

でもこれは、

弱者切り捨てにつながる方法では?

 

生産性の向上は、人による、と思うからです

 

 

生産性が低いなら、

高い給料を支払えないので

人が集まらない

だから国外へ脱出するしかないし

できないなら廃業になる

 

いずれにしろ、

生産性が低い人

適応能力に欠ける人

は失業する

 

 

生産性の向上は、

会社の仕組みを変えることでできることも多いでしょうが

あるレベルからは、その人しだい、ではないでしょうか?

 

要領よくお仕事しましょう

効率的に働きましょう

 

そういわれても、

決められたことはできるけれども

要領よく、効率的に、が苦手な人って

多いと思います

 

作業をしていても、

どうすれば早く、効率的にできるか

そう工夫しながらできる人もいます

 

でも、J-oneの職人を見ていても思うのですが

全員がそうではありません

 

むしろ、工夫するよりも

目の前の仕事をただもくもくと、

そういう人の方が多い

 

企業が効率を追求せざるを得なくなれば

そういう、もくもくタイプ、を切り捨てに走るのではないでしょうか?

 

 

現実、

不効率な「製造業」を切り捨てたアメリカは

「プア・ホワイト」問題を抱えていますし

金融立国スイスは確かに生産性は高いのですが

それについていけない人は社会的な弱者として切り捨てられているそうです

それが麻薬とアルコールの蔓延になっているとか

 

日本も同じ道を辿るのでしょうか?

 

 

私も経営者として、生産性を考えざるを得ません

そうでなければ、

休みを与えることができませんし

そもそも給料が払えないからです

 

 

いままで、宝飾職人の世界は

「請(うけ)」で成り立っていましたので

必然的に自己研鑽の世界でした

 

自分の仕事の量と質が

直接収入につながったからです

 

修行中は低収入でも

ウデしだいでその後の収入は保障されました

 

いま、こういう雇用は違法です

 

 

だから正社員で雇用するしかない

 

でもそうなれば、

収入が動機ではなく、自分の目標を自分で設定できる人

工夫を常に行なっている人、以外は

雇用できなくなります

 

生産性が悪ければ、給与が払えないからです

 

 

 

先日、信金さんの営業の方に聞いたのですが

 

この20年間で東京の町工場、個人企業は

半分に減った

そういう感じだそうで、

いまでも、どんどん減っているそうです

 

まさに日本の国策に沿った社会の変化ですね

 

J-oneも淘汰されないように

生産性を高めるしか、生きる道はない、

そういうことだと思います

 

 

ありがとうございました

 

株式会社J-one

代表取締役 島田逹己

http://www.j-one-net.com/


2019.05.25
スーラット・ダイヤモンド・ツアー 4

こんにちは

 

いつもありがとうございます

 

 

このスーラット・ツアーを企画したのは

「ラパポート」という組織です

 

ダイヤモンドの相場を毎週レポートしている会社です

 

0.3ct以上の大きさを取引する場合には

価格とともに

「ラパポート価格から何%引き」

という表示もあるのが一般的です

 

そんなふうに

ダイヤモンドの取引には欠かせない組織なのですが

今、変化の真っ最中、のようです

 

毎週送られてくるメルマガでは

世界の取引状況などもレポートしてくれるのですが

以前はかなり事務的な、いかにもレポート的な文章でした

ところがこのごろは

ところどころに、読者を、同じダイヤモンドを扱う仲間、みたいな

「同士じゃないか」

的な書き方を感じます

 

推測でしかないのですが

組織として新しい挑戦をしているようです

 

 

その一環として

世界中のダイヤモンドに携わる人を対象に

新しい事業を始めたようです

 

ラパポートはレポートを売るだけではなくて

自身でムンバイ取引所に事務所を開いて

ダイヤモンド取引に手を出し始めました

 

スーラットにも事務所を開いて

研磨業者から研磨済みダイヤを仕入れ始めました

 

ラパの事務所でそれらのダイヤも見ました

私には価格的なメリットはないので買いませんでしたが

 

品質的にはSI以上で良いカットの

不良在庫化しにくく

世界的に安定した需要のある品質だけを持っています

 

おそらく、

世界中のダイヤモンド・バイヤーに

「インドまで行かなくても現地価格で」

「ラパの安心品質」

を売るつもりではないでしょうか?

 

そう考えれば、

レポートやコンベンションでしきりに

「合成ダイヤモンドの流通問題」を

しつこく取り上げて関係者の危機感をあおるのも納得できます

 

 

ラパポートは、

今までの知名度と安心感を使って

在庫を持つリスクを犯してまで

ダイヤモンドの実取引に手を伸ばし始めました

 

 

ダイヤモンドの取引は個人技能に近いスキルだと思います

 

ダイヤの相場観や取引の駆け引きなどを

組織で共有することは難しい

 

だから今までは個人業者が多い世界です

日本から買いに行く人も

小さい会社、もしくは個人業者ばかりです

 

ラパポートは

そういう個人技能の世界に

組織の強みを売りにした取引を

個人ではなく組織の顧客を対象に売り込み始めたのではないでしょうか

 

 

 

昔のインドのダイヤモンド取引は

スーラットの小さい研磨所の小さいロットを

ムンバイの個人業者が買い集めてロットにして

オペラハウス近辺で仲間や外国人に売っていた

 

私がムンバイに初めて行った30年前はもそうだったのでしょう

その頃の取引相手はみんな「ブローカー」

最初に行ったShurayasなどです

 

こういうブローカーは自分では在庫を持たず

買い手が来ると

在庫を持つオーナーに自分の会社で取引させて

利ざやを抜きます

 

そういう中から

自分で在庫を買い取り顧客に売る、資金力を持つ大手が出てきた

そういう大手は自分で原石をデビアスから買い取り

研磨所に流して支配し、流通を牛耳っていた

Rosy Blue、Dimexonなどです

 

こういう大手は在庫量も値段も

以前のブローカーとはまるで違うレベルでした

寄せ集めではないので

大きいロットでも均質でした

 

ところが今度は支配されているはずの研磨所が

どんどん大きくなり

資金力も原石の購入ルートも手に入れて

直接顧客に販売を始めた

 

利益率も高いのでしょう

聞けば創立10年〜20年で巨大化しています

 

今後サプライヤーとしての主流は

自分で研磨している工場になるでしょう

 

 

ようは

自分のスキルを使ってもうける個人業者から

より組織化され、より強みを強化した「企業」へ

取引の主流が移っていく

 

そういう、どこの業界でも見られるごく普通の変化が

ダイヤモンドの世界にも起きているだけなのではないでしょうか

 

 

ラパポートも

自分の強みを使い、

組織の強さを用いて

世界のダイヤモンド・ディーラーに

「安心」を売るつもりなのではないでしょうか

 

 

 

日本でも同じことが起きています

 

個人のスキルや経験値を使った個人業者から

組織の強みを生かした企業体が

ジュエリーの世界、ダイヤモンドの流通の世界の

主流になりました

 

 

いまだに「バブル崩壊」を嘆く人がいますが

ジュエリー業界でこの30年間で起きた最大の出来事は

「バブル崩壊」ではなく、

取引の主流が個人から企業に変わってきたことだと思います

 

 

以前は街の宝飾店の店主が

自分の販売経験とデザインの好みで仕入れていました

今、そういう宝飾店はほとんど死に絶えました

 

今、組織でビジネスをする会社は

個人の好みに依存した製品を扱いません

根拠が希薄で、個人の「好き」に依存した製品はリスクがあるので

組織で売ることを恐れます

組織を維持するためには

計画的に安定して売れる製品を選ぶからです

 

だから多店舗を抱える大手ショップは

ストーリーとコンセプトで顧客の共感を得ることに主眼を置くのです

デザインはそのストーリーの表現の一つでしかありません

 

多くの顧客の共感を得ることができるショップは

今も成長を続けています

バブルなんて関係ありません

 

 

日本のジュエリーの世界でも、

インドのダイヤモンドの世界でも、

起きている「変化」は同じです

 

遠く離れていても、

考え方や習慣が大きく違っていても、

変化のベクトルは同じだと思います

 

「強みを生かした組織」がメインプレーヤーになる

 

そういう流れは地球上どこでも変わらないのかもしれません

 

 

こんなふうに

今回のスーラット・ツアーは

考えさせられることも多いツアーでした

 

 

 

余談ですが

こんなことも「考えさせられ」ました

 

今回のツアー、

人数は30名ほどだったのですが、

日本人は私一人で

残りは、まるで世界の趨勢を表すがごとく

みごとにアメリカ人と中国人しかいませんでした

 

いろんな場所での説明は全て英語でしたが

中国系アメリカ人が逐次中国語へ訳していました

 

バスや移動も英語グループと中国語グループの2派

 

ひとり日本人の私は

アメリカ人からは「同じイエローでしょ」みたいな扱いだし

中国人からは「日本とアメリカは同類でしょ」みたいな感じ

 

どっちつかず

 

まるで今の日本の立場を表しているかのよう、でした

 

 

今まではアメリカの後についていれば

日本は安泰でした

 

これからは違います

 

中国が世界の中心の一つになることは時間の問題だし

少なくとも東アジアでは中国が中心で

太平洋西半分は中国の海になる

 

韓国の反日姿勢が露骨なのは

アメリカから中国へ鞍替えした、その裏返し

 

日本は韓国ほど露骨にはできないにしても

いつかは、中国に取り込まれます

 

 

私は個人的には

日本の人口減問題は中国からの流入で解決して

中国主導で、日本では中国との同質化が進む

そう思っています

 

中国はいろいろな問題を、独自の長い時間の視点で解決してきたからです

 

中国首脳は、今の混乱期を

2000年前の五胡十六国時代と同じだと思っているのではないでしょうか?

 

 

 

ありがとうございました

 

株式会社J-one

代表取締役 島田逹己

http://www.j-one-net.com/

 

 

 

 

 

 

 


2019.05.10
スーラット・ダイヤモンド・ツアー 3

いつもありがとございます

 

「スーラット」はダイヤモンド研磨の街です

 

「ムンバイ」は集積地で

ダイヤモンド取引所があり

世界中からバイヤーが集まります

 

 

昔は、ムンバイは安物、低品質のイメージがあり

カットのいいものはテル・アビブかバンコク、

そんなイメージでしたが、

今は違います

 

婚約指輪に使うような高品質スペックなものも

カットのいいハイグレードなものも、大粒も

インド人が手がけるようになったので

ムンバイで、ハイエンド、以外は手に入ります

 

むしろ、ムンバイだけでなく

アントワープにも

ニューヨークにも

インド人がオフィスを開いて

現地の流通の主流となっています

 

これほどインド人が力をつけた理由の一つには

「2」でご紹介したように

原石から効率よくカットできる最新機器のために

高額品のマーケットで

ユダヤ人に食い込むことができるようになったことも

一因ではないでしょうか

 

 

さて、そのスーラットには

雑居ビルがまるごとダイヤ研磨業者で埋まってる

そんなエリアがあります

 

 

こんなかんじです

 

 

ここは取引所

かなりローカルで

小さい一粒から取引してます

 

 

中には自動で研磨する機械もありました

 

 

ですが、あまり使っていないようです

 

 

このビルには各フロアーに10部屋くらいあり

それぞれ20〜30人くらいでこんな様子でした

 

それぞれの部屋が違う雰囲気でしたから

オーナーはそれぞれ違うのでしょう

 

おそらく他の会社の下請けさんでしょう

 

スーラットには「クリシュナ・ダイヤモンド」みたいに

6000人もの社員を抱えて

ダイヤモンドをカットしている会社も数社あります

 

名刺をもらったので見てみると

ムンバイのダイヤモンド取引所にもオフィスを持っています

 

 

ダイヤモンドに携わるインド人は

ほとんどが2つの職業カーストに属しているそうです

 

ムンバイの「パランプリ」が

スーラットの「カディヤワディ」を使って研磨をさせて

「パランプリ」は販売

そういう役割分担がありました

 

言われてみれば

見た目も違っていて

カディヤワディの方がドラヴィダ系で背も低く肌も黒い

 

 

パランプリはアーリア系に見えます

 

 

見た目はこんなに違っても

話す言葉も同じグジャラティですが

 

宗教的な戒律は違っていて

パランプリの多くは「ジェーン」で

ベジタリアンはもちろん根菜類も食べません

 

 

どんな業界もそうでしょうが

「製造」より「販売」の方が利益は取れるものです

 

いままで工賃仕事をしていて

下請けに甘んじていた「カディヤワディ」が

販売の分野にまで手を伸ばしているのではないでしょうか

 

事実、ムンバイのダイヤモンド取引所内には

「カディヤワディ」の会社が勢力を伸ばしています

 

 

先日その代表格の会社で仕入れをしていたのですが

その時の会話で、

 

「この前、イタリアで入札会があった」

「AとBとウチの3社で競争」

「ウチが勝って、月1000ctの取引契約結んだ」

 

と、誇らしげに話してくれました

 

 

彼です

 

このA,Bは「パランプリ」の代表格

ムンバイでも最大手のサイトホールダーです

 

 

この時、私はA社もB社も行って在庫を見ていますが

いいものを全然持ってないし

そもそも在庫自体が少ない

 

いいわけが

「事前に連絡くれないと在庫を準備できない」

「今在庫は香港」

 

以前はA社もB社も

豊富な在庫を持っていたのですが・・・

 

 

先ほどの「カディヤワディ」の彼の会社は

突然訪問しても

ふんだんに、それも桁違いの在庫を持っていました

 

 

私の想像ですが、

ムンバイ大手はもともと自分で研磨してないのかもしれません

 

「工場がスーラットにある」

そう言ってましたが、

インド人によくある「方便」で

実際は「カディヤワディ」の下請けを

自社工場のつもりでいたのではないでしょうか

 

そして、

 

自分たちがユダヤ人を駆逐したように

(日本では日本人輸入業者はインド大手に駆逐されました)

今度は「カディヤワディ」に駆逐されかかっているのではないでしょうか?

 

「カディヤワディ」は製造→販売を一手に行い始めているのではないでしょうか

 

 

私は生産地のスーラットに取引が流れ始めているのでは?

そう思って視察に行ったのですが

実際は、スーラットに巨人が育ちつつあり

ムンバイにまで出てくるようになって

 

メイン・プレーヤーが変わってきた

 

そういう変化なのかもしれません

 

 

ダイヤモンドの研磨を下請けに出す時

材料の原石は「委託」するのではなく

「販売」して渡し、

納品は「買い戻し」です

 

もし委託すれば、

下請けが品質が違うダイヤを混ぜたり

いいものだけを抜き取ったり

そういうことを恐れたからです

 

ダイヤモンドの取引は

微妙な違いを値段で表すからです

 

おなじように

自社工場ではそういう管理に手間もリスクもかかるでしょう

 

しかしそのリスクを避けたがために

下請けの台頭を許したのではないでしょうか?

 

 

しばらく前

ホンダはバイクのインドでの現地生産・販売で

「ヒーロー」という会社と組んでいました

 

地元企業「ヒーロー」の販売網を使えば

簡単に販売を増やせるからです

 

いま、「ヒーロー」はホンダから独立して

自前で設計・製造・販売を行なっています

 

ムンバイ市中のバイクを見る限り

まだホンダのほうが多いと思いますが

10年後はどうでしょう?

 

 

まだ「ツアー4」に続きます

 

ありがとうございました

 

 

株式会社J-one

代表取締役 島田逹己

http://www.j-one-net.com/

 


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