社長ブログ
こんにちは
いつもありがとうございます
先日、親戚の葬式がありました
大往生だったので
親戚が集まっても悲壮感はただよわず
昔話がとびかっていました
葬式って
1、2時間くらい
時間を持て余すことってありますよね
母の長兄が亡くなったのですが
母の兄弟たちのおじいさん、
わたしたちのひい爺さんの話になりました
今までそんな話を聞いたことありませんし
どんなひとかも聞いたことありませんでした
だから興味しんしん
母の実家は
石和という温泉郷の旅館です
もともとは、
甲州街道沿いで旅籠をしていたそうですが
明治の終わりに鉄道が通ったので
現在の駅前通りに移ったそうです
母の爺さんですから私のひい爺さん
いとこで5代目の現社長のひい爺さんでもあります
このひい爺さんは2代目だそうですが
どうやらまともに
家業にいそしんではいなかったようです
旅館というのは、そもそも
おかみさんが切り盛りするもので
ダンナは遊びほうけてる
そういうものだそうです
母の弟にあたる叔父が云うのには
この2代目は大変な道楽者だったそうで
仲間と三人で、よりによって
東京の吉原で女郎屋を始めたそう
ということは
山梨の旅館の2代目でありながら山梨に居住せず
東京で女郎屋を経営してた
当時街道沿いにあった旅籠は
もちろん奥さんが切り盛りしてたんでしょう
このとんでもない2代目
そのうち仲間割れを起こして
女郎屋を売り払い
その金で中国大陸に渡ってしまった
道楽者でも起業精神は旺盛らしく
満州でも一旗上げて
金をもうけて帰ってきたと思ったら
今度は骨董ざんまい
「その時に漁った骨董のうち
いちばんまともそうなのが
あの”蘇我兄弟”」
大広間の入り口の正面に掛けてある日本画
べつの叔父が
「****の絵だから
もしホンモノならすごい値段」
遊び人が金にまかせて買った骨董なんて
ぜ〜〜ったいにニセモノだと思いませんか?
次の話題は
母たちの父にあたる3代目
このひとも遊び人だったそうで
叔父が言うには
「お母さんに手を引かれて
何回も父のオンナの家に行った」
「昔は一角の男は
女の2、3人はあたりまえだった」
おばあちゃんに旅館はまかせて
自分は遊び歩いていたのに
どうしておばあちゃんがオンナの家に?
「おれも小学生だったから事情はわからないけど
おやじはもうけた金を全部
女にみついでいたらしい、だから
手元にお金がなくなった時に
お金をもらいに行ったんだろう」
ほんもんのろくでなしです
この祖父の私の記憶は、戦争の話
怖いイメージしかなかったのですが
ろくでなしだったんですね
この祖父
私が生まれた頃には
なんでかこの町の町長さんやってて
そのころ掘り当てた温泉を
町長なのに
全部独り占めにしたらしい
その温泉で旅館は大成功
ろくでなしでも
事業は成功することはあるみたいです
次は今回の主役
母の長兄にあたる4代目
母いわく
「街のゴロツキの親玉だった」
「ナツコさんに旅館は全部やらせて
自分は子分引き連れて飲み歩いてた」
血筋ですね
叔父が言い訳のように云うには
「うちの男はまじめで優しい」
「だから仕事にもオンナにもまじめに貢いじゃう」
「でも変わり者が多い」
この叔父も若い時は
ブラジル移民開拓団
相当な変わりもんです
わたし、自分の血は
今まで父方の方が濃いと思っていました
親戚が言うには
「おまえは文子(母です)の血」
「文子もおじいさんそっくり」
そういうご意見は聞きたくなかったのですが
そう言われれば、
たしかに、わたくしも
先を考えない無鉄砲で
変わり者
(本人はぜんぜんそう思ってませんが)
そういう血は多いかも・・・
こういう先祖の話のあとだと
母方の血筋だとは
自分では認めたくないんですが・・・
お葬式って
こういう話って、
ありますよね
自分のルーツを見た気がしました
じつは父方でもあったんですが
またそれはべつの機会に
ありがとうございました
株式会社J-one
代表取締役 島田逹己
こんにちは
いつもありがとうございます
ジュエリー業者って
特にメーカーは
小規模事業者が多いんです
メーカーでも
社員数100人を超える会社はほとんどなくて
5〜10人が一般的です
どうしてかって
私なりに考えてみると、
スケールメリット
組織のチカラがメリットとして
お客様に伝わりにくい
これが原因ではないか?
そう思っています
ジュエリーのメーカーって言っても
自分で作る会社は少なくて
多くは下請けさんに作ってもらう
だいたいが素材やコストの管理だけして
作ることは下請けさんにおまかせ
そのほうがコストが安くつくので
製品に競争力が生まれるからです
品質や作りのこだわりがなければ
外注さんの方がぜったい安い
他の業種もそうみたいです
車や電気製品、食料品なんかも
作るのは別会社とか下請け
ジュエリーも同じです
外注さんにお願いすれば
ジュエリーにつきものの
クリスマスによる需要変動、
春から夏には手が余るっていう
余剰人件費をかける必要も無くなります
また、ジュエリー関連のスキルって
組織で共有しにくい
デザインノウハウも
製造技術も
材料仕入れも
個人で蓄えるスキルなので
組織では蓄積できないし
後輩にも伝えられない
たとえばですけど
優れたデザイナーのセンスは
後輩には伝わらないので
その人がいなくなれば
新しいものは生まれなくなってしまいます
ジュエリー関連はそういう
ひと、に関わる部分が大きいので
組織になりにくい
それが小規模業者が多い理由だと思います
ジュエリーって
社長さんの考えや、好み
それが製品に大きく表れる、
そういうこともあると思います
だれだって
デザインや品質の好みってあります
デザインの好き嫌いって
親子や兄弟でも
共有はできないものです
2つのデザインのうち
どちらを選ぶのか
兄弟でも違ってあたりまえ
それは論理や定石を超えて
個人の好き嫌いの問題です
営業部長さんが好きなデザインでも
社長さんが嫌いなら不採用でしょう?
宝石の好みなんかもそうです
判断が一極集中しがち
また
判断基準が論理でなくて好悪、
だから組織的になりにくい
当社の母体は
父が運営していた老舗宝飾会社
今は私の弟が運営しているのですが
弟が社長になってから
扱う製品が目に見えて変わりました
むかし、
アンティーク・ジュエリーの講座を受講した時
山口遼さんという、
ミキモトの取締役だった方から
「品質を追求するなら、会社は大きくしたらダメ」
そう言われました
よくわかります
いいものを作るには
細かいノウハウ=個人技能の積み上げ
だから
判断を1極に集中させて
組織であやふやにしない
そのとおりだと思います
本物は組織から生まれるのではなく
個人の技能、知見、意欲、センスから生まれる
ところが、
組織にならないと、
企業としての永続性がない
早い話、
いかに優れた人材を抱えても
その人がいなくなれば
なくなる技能や売上は
会社のチカラではなく
まぼろしと同じ
この点が、
個人のチカラと組織のチカラの両立が、
ジュエリー会社の社長さんに共通する
最大の悩みではないでしょうか?
コロナでジュエリーの市場環境も
大きく変わりました
ジュエリーメーカーも選別されます
わたし、
組織力と個人のチカラ
両方をお客様から試される
そう思っています
ジュエリーは
個人のチカラが表面にあらわれる
そういう商品です
だからこそ、
優れた個人のチカラと
両立させる組織の
両方を求められる
お客様自体が
優れた組織体になっている会社
もしくは
強烈な個人が引っ張る会社
以外は生き残らない
そう思っているからです
と〜ってもむずかしいことなのですが
なんとか実現するしかない
そう思っています
ありがとうございました
株式会社J-one
代表取締役 島田逹己
こんにちは
いつもありがとうございます
ジュエリー関連の資料
集めるのに苦労します
ジュエリー関連にお勤めの方
みなさんお困りでは?
技術系の図書はほぼ皆無
仕事に使えるレベルは
まったく、と言っていいと思います
デザインの参考資料はまだマシですが
それでもないに等しい
ネットの画像?
あんなのまったく役に立ちません
おそらくですが
デザインの秀逸さ、とか
デザインのよしあしで
画像の取捨選択がなされてるわけではなくて
なにか、閲覧頻度とか
デザインとは別の次元で画像が採択されている、
そう思います
ちょっと前まで
青山に洋書店があったんです
それも写真集専門
そこに月イチくらいで
資料漁りに行ってたのですが
なくなってしまいました
どうしてでしょう?
これもアマゾンエフェクト?
でも、
中身の見れないアマゾンで
デザイン資料探す人って
いないと思うのですが・・・
ほかにも青山の書店で
外国の雑誌を売ってるお店もあったのですが
そのジュエリー専門の雑誌
Vogue Gioiello も廃刊
こまりました
しかたなく、USAアマゾンで
写真資料を、見ず買い、してます
こんなんです
配送料がかかるので
まとめて買うのですが
当たり外れが、やっぱり、大きい
最近買った中で、当たり、は
Women Jewellery Designers
デザイン資料としては中くらいなんですが
いいデザイナー名を知ることができて
そのデザイナー資料を購入する手がかりになります
日本人も1名、取り上げられています
ギメルのオーナー
素晴らしいです
日本人らしい繊細さがわかるし
下絵から察するに
技術者とのやりとりがうかがえます
ぜひ写真集を刊行してほしい
しばらく前
日本の誇るジュエリーブランド
ミキモトさんから
100周年記念事業として
ミキモトデザインの100年
みたいな図版集が刊行される予定だったんです
もちろん即申し込んだのですが
中止になりました
残念でなりません
ちょっとゲスの勘ぐりなんですが
ジュエリー業界は
デザイン盗用が横行するので
これを恐れたのかも、そう思いました
私の資料集め、
デザイン盗用のためではありません
そもそも写真集になるような
ハイジュエリーから盗用しても
製品にはなりませんし、
売れる製品には結びつかないので
盗用しても意味がありません
(欧米のジュエリーは上流階級の購入を前提としています。
日本のような低単価のK18マーケットはなくて
低単価ならイミテーションが前提です)
デザインする時って
テーマがあります
漫然とデザインすることはなく
テーマをまず考えます
そのテーマを実現する「アイデア」
それを過去の偉人から学ぼうとする時
資料を見ます
例えばですが
クラシックな雰囲気を出そうとした時
100年くらい前の
アール・デコ期の写真集を見て
その石枠デザインからアイデアを得る
そんな風に使います
だから、同じ資料を見る時でも
毎回テーマが違うので
同じ見方をしませんし
見る観点が違うので
資料が毎回違って見えます
ジュエリーの写真集
ジュエリー業界にとって
とても大切だと思うのです
去年、山梨県ジュエリー協会で
駅前にモニュメントを建てました
2千万円もかけて
「ジュエリーの普及のため」
「写真撮ってもらって拡散のため」
なんだそうですが
わたし、
「そのお金で
山梨の図書館全部と
中学、高校、大学すべての図書室に
ジュエリー写真集50冊づつ
寄付したらどうでしょう?」
山梨県の図書館って
山梨はジュエリー産業が盛んなのに
ジュエリー関連の資料って
なぜか、ほぼ皆無
県立図書館でさえ
写真集は1冊だけ
思うのですが、
寄付した本を見て感動した生徒さんが、
毎年一人でもいいから
ジュエリー関連に就職してくれれば
それだけで有益だし
まずそういう資料を揃えないと
基礎的な知識も興味も
養うことができません
ジュエリー産業のためには
まず、
ジュエリーが好きな人を増やす
それが第1歩
モニュメント見たって
写真で拡散したって
誰も感動はしてくれないでしょうし
人材は得られない
だからお金のムダだと思うのです
私がジュエリー協会に入った時には
すでに、残念なことに
モニュメント製作は既定の事実
この意見は通りませんでした
ジュエリー資料
日本で得がたくなってしまったのは
ジュエリー産業にとって
大きい損失だと思うのです
山口遼さんという
ジュエリー関連の書籍を数多く
とくにアンティーク方面の
執筆なさった方がいらっしゃいます
ぜひとも山口さんに
50冊を選んでもらうべきだった
そう思っています
ありがとうございました
株式会社J-one
代表取締役 島田逹己
こんにちは
いつもありがとうございます
最近こういう問い合わせが多いんです
「1点もの、作れますか?」
1点もの、とは文字どうり、
同じものを10個とか作るのではなく
単品製作できますか?
そういう問い合わせです
1点ものは、
高価な宝石を用いることが多いんです
だから手間をかけて製作しますから
工賃も高めになります
もちろん、作る職人にも
経験と技術が要求されます
すぐにできるようにはならないので
先輩に教わりながら
5年程度は経験を積まないと
まともなものはできません
当社の場合
まず量産を経験します
普通は最低でも3年くらい
その後はそのまま量産を極めたり
石留めのエキスパートになったり
原型を作ったりします
その原型を作るのに
1点ものはとてもよい経験になります
最近そういう問い合わせが多い理由は
そういう高価なものが売れている、
からではありません
単品製作ができる職人が減っているからです
単品製作は、製作に時間がかかり
ものによりけりですが
ひとつを2〜3日から
1〜2週間程度かけて製作します
また必要な技術も全く違い
量産は2、3年でベテランになれますが
単品は最低5年は経験が必要です
とにかく育成に時間がかかる
ということは、お金もかかる
だから、できる職人が減っている
技術が必要で
需要があるならば
高い工賃が期待できる、
そう思う方も多いと思いますが
実際は、残念ながらそうではありません
一点物の製作は時間もコストもかかるのですが
見合う工賃をいただけないので
すべてお断りしています
本当はお受けしたいんです
いい製品を志向する会社からのご発注は
職人のいい訓練になるからです
職人だって作りがいがあります
ですが、お受けしても
まったく利益にならないどころか
職人の人件費の半分にもなりません
だからお断りせざるを得ないのです
とても残念です
それでも、職人不足は逼迫しているようです
いま、空前の人手不足なのに
給与が上がらないどころか
下がってる
不思議そうに言う新聞記事などを見かけますが
わたし、なんとなくその理由がわかります
専門職の方って
ほかの仕事をしたがらない
たとえ、給料が高いってわかっていても
やったことのない仕事を、したくない
専門職になって、その道を
まじめにコツコツと追求する人ほど
その仕事に自信があるはずです
だから、
自分の誇れることをしたい
同じ仕事をしたい
日本人って、とくに
まじめにその道を極める人
多いと思います
給料が高いからって
簡単に職を変える人って
あんまりいないと思います
そういうことが原因だと思います
ジュエリーの職人もそうです
人と交わることが得意じゃないし
営業なんてとんでもない
自分のとりえはまじめさ、って
そう思ってる人が多い
だから、営業的な感覚を持ってる人に
工賃を値切られても
自分の技術を安売りすることになっても
その仕事を受けてしまうんです
今では希少な技術でも
そういう修行をした人ほど
その技術を高く売ることを知らない
だから工賃は上がらない
当社が断る仕事は
きっとどこかの技術のある職人さんが
「俺の腕ってこんな値段なのか」って
ため息つきながら、製作していると思います
思うのですが
日本の、いえ、世界中で
専門的な技術は、
同じ憂き目を見ているのではないでしょうか
大量生産のための技術開発は
もうかるので、多くの知恵が入りやすい
でも、本物は大量生産ではできません
多くの人が本物を
目にする機会がないので
知らないだけです
おそらく、ジュエリーの世界では
本物は徐々に珍しくなっていくでしょう
日本の消費者は世界でもっとも
品質にうるさく
製品に求めるハードルが高い
だからジュエリーでも
ちゃんとした本物を
プロの知識できちんと説明すれば
きっとご理解いただけると思います
そういう仕事ができない限り
本物を作り続けることはできないでしょう
ありがとうございました
株式会社J-one
代表取締役 島田逹己
こんにちは
いつもありがとうございます
コロナ、すごいことになりました
確かに去年、世界の3大リスクのうちの一つに
「感染症の世界的な蔓延」
を挙げていたアナリストさんがいらっしゃいました
大当たり、ですが、ご当人は
「こんなの当たって欲しくない」
そう思っていらっしゃるのではないでしょうか
震源地は中国ですが
私、中国政府の対応は、すごいな、と思いました
武漢市の封じ込め、よくできたな、と思いました
武漢って中国製造業にとって、かなり重要な都市です
それでも一時的な経済損失を捨てて
外部と遮断しました
遮断って言ったって、中国のことですから
かなり穴があるんじゃないか、
遮断は表向きで
実際は経済のために抜け穴があるんじゃないか、
そう思っていたのですが
上海の知人から聞いた話ですが
遮断は表向きだけじゃなくて、かなり徹底していて
武漢の隣町にその人のお父さんがいたのですが
街を出ることができず、上海に戻れないそうです
封じ込めは功を奏し患者発生数は表向き、抑えられています
日本政府は、必要な時、
広島とか名古屋の封鎖ができるでしょうか?
私は日本政府の場合、
封鎖するという決断すらできないと思います
その後、中国政府は
コロナ罹患者の、そもそもの基準を変えました
今までは患者って認定していたのに
その基準を変更しちゃった
これにより患者発生数は、表向き、抑えられています
この間に中国はWHOに、出す声明の具体的指示を出し
中国非難をさせませんでした
今や国連機関へ、最大の資金供給国は、中国
その投資の恩恵を最大限要求しました
汚いやり方だと思います
少なくともフェアーじゃないでしょう
でも、実際の効果はてきめんで
世界の目は中国から逸らされていきました
同時に中国は日本を入国制限国に指定して
世界は日本の状況を憂えるようになります
こういう、施作というか戦略とかいうか
考えることは誰にでもできますが
できるかどうか、となると話は別です
もし日本がパンデミックの震源地になっていたら
日本政府はどんな対応を取っていたでしょうか?
私は愛国者ではありますが
日本政府は中国のような効果的な対応は取れず
世界の非難を真っ向に受け
WHOと欧米の言うなりになっていたと思います
ヘタすると
謝罪ばかりを重ねて
主要国の防疫費用の肩代わりをさせられていたかもしれません
日本はいつもお金で解決してきたからです
対策って
正しいかどうか、じゃない
実行できるかどうかが大切なんだ、
そう中国政府は教えてくれています
この件で思ったのですが
民主主義だから
議会制を持っているから
正しい政策が取れる
そう私たちは思い込んでいますが
これって幻想なんじゃないでしょうか?
中国は共産主義であり
指導者は国民による選挙ではなく
政治エリートによる指名制
民主主義とはかけ離れた政治体制ですが
国家の明確な目標に対し
実効性のある政策を
中国は40年間取り続けています
たとえ指導者が変わっても
権力闘争があっても
取る政策の目標は変わっていません
「中国の栄光を取り戻す」
という目標は指導部全体が共有しているようです
だから中国は40年間発展し続け
5000万人の餓死者を出した世界最貧国から
世界第2位の経済大国になりました
日本は民主主義ですが
正しい政策を取ろうとはしていても
何が「正しい」のか、探り続けています
恐ろしいことに
人口対策でも40年間無策のままです
40年前、私が高校生の時
すでに将来の人口減は予測されていました
人口こそ経済の礎だということは
歴史が証明していて
人口が経済規模を決定するし
その経済力が、
核よりも強い国防のためのバリアになる
それなのに日本は
40年も何も具体的な策が取れていません
だから日本の凋落は歴史の必然です
同じ人口問題でも
増やすと減らすの違いはありますが
中国は爆発する人口を恐れて
世界で初めての抑制策「ひとりっ子政策」を発布し
実際に効果を出しました
ひとりっ子政策は
その実施の無慈悲さ
その反動の影響などから
世界中から非難を浴びましたが
実際に効果を出し、中国は目的を達成しました
たとえ非難を浴びてでも実行することの方が
中国人民の大多数の幸せのためには効果があった
民主主義だから正しい、というのは
真実ではないんじゃないでしょうか?
そもそも日本が経済力を持つに至ったのも
民主主義だったから、
が理由ではなかったでしょう?
民主主義ってそんなに尊ぶべきことなのかな?
そう思い始めています
会社の運営も、
民主主義で行うべきなんでしょうか?
少数意見より多数意見の方が正しい、なら
会社の問題点も
多数決で解決できるのでしょうか?
そこで疑問なんですが、
社長さんを選ぶのに
社員選挙で行っている企業ってありますか?
社員さんの給与規定を
選挙で決めている会社ってありますか?
労働組合に会社の経営を任せている会社って
ありますか?
私の少ない知見ではありますが
そういった会社は
寡聞にして聞きません
みなさん、企業体の運営は
民主主義よりも
優れたリーダーの資質に頼る方が
確実だと知っています
「組織はリーダー次第で変わる」
そういう自己啓発本は世間に多いのですが
このことを反民主的だとした非難を
私は聞いたことがありません
組織の運営はリーダーシップが大切なんだ
そうみなさん知っているのに
なぜ国家統治形態では
リーダーシップよりも
なぜ民主的であることを重視するんでしょう?
「優れたリーダーは
民主的な選挙でこそ選ぶことができる」
これは幻想に過ぎないのかもしれません
そう考えると
中国の政体って企業とそっくりです
中国の常任委員会って会社の取締役会
その中の一人が主席になるのも
会社と同じ
むしろ
中国の常任委員には定年があるので
企業より民主的
中国は効率的で効果的な政府のあり方を
民主主義、みたいなお題目ではなく
実効性を求めて
企業の運営方法から学んだのではないでしょうか?
中国は、
王朝の交代を繰り返す歴史から
リーダーの資質が組織の運命を左右することを学んでいます
だからあえて民主主義の政体を取らず
優れたリーダーを選別するための
集団指導体制をとっているのだと思います
今のところ、
合意を重視するあまり決められない日本より
実行効果を求める中国の政体の方が
残念ながら
結果を出していると言わざるを得ないと思います
とても残念です
今や世界の特許獲得数では、特に医療とIT系は、
中国が世界の第1位です
コロナウィルスのワクチンは
中国が、国威発揚のため意地でも
最初に開発するのではないでしょうか?
ありがとうございました
株式会社J-one
代表取締役 島田逹己
こんにちは
いつもありがとうございます
わたくし仕事柄、海外へ行く機会が多いんです
インドやタイばっかりなんですけれど
インドやタイの入国スタンプって
でっかいんです
インドは今だにビザが必要で
そのビザもでかい
ですから、パスポートは発行時に
エキストラ・ページを付け足してもらって
普通の倍のページ数があっても
いつも失効期限の前にページが尽きて
新しく発行してもらいます
海外に出て帰国する時、
日本の空港に到着するといつも思うのですが
日本の税関って、世界でも特別だと思います
どこが他の国と違うか、わかります?
そーなんです
検査体制が日本独特ですよね
外国だと機械で荷物をスキャンして
違法なモノの持ち込みはないかチェックします
インドだって必ず検査します
でも日本ではなぜか、機械を使って調べません
どうするかっていうと
検査員が質問して検査します
「荷物はこれで全部ですか?」
「お仕事ですか?」
「現地で誰かから預かったモノはありませんか?」
「サンプルは持っていませんか?」
この質問であやしいって思ったら
荷物を開けてチェックする
不思議じゃありませんか?
質問でわかるわけない、そう思いませんか?
そんな超能力者みたいな読心術持ってる人って
そうそういないんだから
スクリーニングする機械使った方が
よっぽど違法なモノ発見できるよ、って
普通の人はそう思いますよね
それにいちいち荷物を開けてたら
時間かかりますし
米国人女性なんかだと
「プライバシー侵害!」って
叫びそうです
わたくしの勝手な想像ですが
おそらく外国人は、特に欧米人なんかは
「ハイテクの国、ジャパンなんだから
まさか荷物検査をしていないってことはないよな
なにか目に見えない特殊な機械があるんだろう」
「なんたってジャパンなんだから
あの荷物の検査台自体が透視装置になってるんだろう」
きっとそう思っていると思いませんか?
日本の税関は荷物チェックをしないってことに
日本によく来る人は気がついたようです
消費税が8%になった時以来
韓国、中国から金塊をキロ単位で違法に持ち込む人が増え
消費税分の税金をかすめ取る人が増えたそうです
金は国際相場があるので
国が違っても値段は変わらないからです
だから密輸して日本で売れば消費税分儲かる
今ではその密輸による日本の国富の流出が
毎年300億円を超えているそうです
すんごい金額ですよね
税関さんもこのことは意識していて
最近、ある防止策を講じました
入国時、税関さんの検査台のところに
A3サイズくらいのコンパクトな看板ができて
「金の持ち込みは申告が必要です」
これです
初めてこのカンバン見た時びっくりしました
こんなの意味ない、ってところもですが
英語表記があるってところに驚いたっていうか
ため息が出ました
英語圏の人が
「どうしてこんなカンバンがあるんだ?」
って考えたりしたら、
日本は荷物検査してないってバレる
金を密輸する人が多いってバレる
日本の国府の流出量が倍増したら困る!
そう思ったんです
これって逆効果なの、わからないのかな?
でも、どうして日本の税関さんって
確実な機械でチェックすることを避け
まちがえることもある人間力を発揮しようとするのか?
不思議じゃありませんか?
どうして誰でも確実にできる方法を取らないのだろう?
わたし、こう想像しました
もしかしたら税関さんには、
すごい成功体験があるんじゃないか
そう思ったんです
こういうことです
ある職人的な税関員さんがいて、
質問だけで、あやしい人を看破できた
神と呼ばれたその人は
あやしいと思えばかなりの確率で密輸を阻止できた
その人の存在は伝説になり
税関員たるもの、この人を見習うべきだ
努力してそういう技を磨くのが日本の税関員のあるべき姿
日本人は「なんとか道」が好きですから
訓練して「税関道」を磨くのが税関員としてのあるべき姿で
だれでもできる機械を使うのは、怠慢
そういう感覚が税関員さんのあいだで熟成された
だから、透視機械を導入しないのでは?
人って成功体験に引きずられるものです
一回成功すると、
その経験を捨てることができない
倒産する企業って、意外と
過去に隆盛を誇っていたり
かつてすごいヒット商品を持っていたり
強烈な成功体験があることが多い
その成功体験に引きずられて
時代が変わっても、自分を、考え方を
変えることができない
日本の税関さんが機械に頼る荷物検査ができないのも
過去に、税関道を極めた達人がいたのが原因ではないか?
そう思いました
100%私の勝手な想像ですから
税関さんからすると、余計なお世話、ですよね
失礼しました
でもわたくし、帰国するたびに税関さんのおかげで
「成功体験の怖さ」
を思い出すんです
とても良い教訓です
ありがとうございました
株式会社J-one
代表取締役 島田逹己
こんにちは
いつもありがとうございます
もうブランドさんはクリスマス商品を作ってます
どんな傾向なのかはお話しできませんが
もう冬物の新型作成です
まだ暖かくなってもいないのに
早いですよね
わたくし、仕事柄、店頭に出かけます
いろいろな小売店さんをひと月に一度くらい、
特に新宿伊勢丹さんは
もう20年くらい定点観測してます
最初25歳で父の会社に入る前、
東京の小売店を100店見て回りました
まだジュエリー について何の知識もない時に
店のレイアウトや、品揃え、大雑把な価格帯
どんな接客なのか、や雰囲気など
1店を1枚のレポートにしたことを憶えています
もちろん、新宿伊勢丹はレポートにしました
実はこのレポート、残っていないのです
今見ると、きっと笑えると思うのですが・・
あれからすでに30年が過ぎました
ひとついえるのは
日本一の小売店舗、新宿伊勢丹の
正面入口入ってすぐの一等地を
ジュエリー 売り場が、30年間、占有している
ということです
化粧品の方がマーケットが大きいのでは?
そう思うのですが
化粧品やバッグ、靴などはジュエリーの裏にあります
小売店さんにとってジュエリーの重要さは
30年間変わっていないと思います
もちろん、重要さは変わっていないものの
売り場の内容は大きく変わっています
30年前はノンブランドが主流だったと思います
今はもちろんブランドさん以外ありません
いつもいつも変化しています
ここ数年でも、大きい変化があります
というか、
今までにない変化がおとずれています
それは、単価の下落、です
今まで、K18(金の含有率75%)の製品が普通でしたし
数年前までK10(金の含有率約42%)のブランドさんは
出店していませんでした
ところが、いまは、
K18がメインのブランドさんが減り
K10がメインのブランドさんが売り場を増やしています
シルバーのブランドさんも
アクセサリーのブランドさんも健在です
K18ブランドだけが縮小しているように感じます
伊勢丹さんなんかはまだ単価は高い方で
伊勢丹のまん前にある丸井さんでは
K10が主流でK18は皆無
シルバー製品が台頭しています
売れ筋はなんと1万円代です
以前、デパートのジュエリー売り場では
税込4万円まで、
3万円代後半が売れ筋でした
この価格帯に収まるように
コスト調整を行うのがごく当たり前でした
いまはK10の影響を受けて
単価が下がっています
全ての小売店さんを知っているわけではないのですが、
おそらく全国で
単価が下落していると思います
売れ筋の変化は今までもありました
30年前は、ノンブランドからブランドに、
15年前は、リングからペンダントに、
最近では、シンプルデザインに、定番化に
売れ筋は変わりました
ですが、単価の下落、という変化は
初めてのように思います
ジュエリー 売り場でも日本が縮んでいるのでしょうか?
若い人がジュエリーを買わなくなった?
そうは思いません。
ジュエリー に割ける可処分所得が減っているのだと思います
なぜかというと
若年層の減少ほどは
ジュエリーマーケットは縮小していないからです
外国人観光客が補っていると思いますが
電車の中で見る限り、若い女性の着用率は下がっていません
むしろ、女性は年齢が上がると
ジュエリー に興味を示すことが多いので
若年層の減少よりも
近い将来起きる30代40代が大きく減少する時の方が
影響は大きいでしょう
そのとき、マーケットは大きく縮むはずです
おそらくそれはジュエリーだけの特殊な事情ではなく
ジュエリーは贅沢品だから、ではなく
全てにおいて縮むと思います
男性にとってジュエリーは贅沢品にしか見えませんが
ジュエリーは女性にとって、クラス感に通じる
ある意味必需品だと思います
ある種の女性にとって
化粧を捨てる
おしゃれを捨てる
ジュエリーを捨てる
=おんなを捨てる
そういう感覚があると思います
だからジュエリーマーケットは経済の縮小に伴い
「なくなる」のではなく、
また「縮小する」するというよりも、
むしろ「変化していく」
近い将来、
更なる人口動態の変化と
可処分所得の減少に伴って
(これは、絶対と言いきってよいほど必ず起きることです)
「K18じゃなければジュエリーじゃない」
感は一部に根強いのですが、
そういう感覚はなくなると思います
K18は残るでしょうがかなり減少するでしょう
K10も残るでしょう
さらに安いK8も出るでしょうし、
シルバー+金メッキだってもっと増えます
真鍮(銅合金)+金メッキのジュエリーも
普通になるでしょう
私の祖父の時代
真鍮のジュエリーはごく普通のものでした
世界は成長しています
ニューヨークやロンドンではランチは2000円が普通
上海だってすでに500円はあたりまえ
東京はまだ500円も普通に目にする
アメリカでは年収1000万円は
低所得者と認識されているそうです
日本はここから大きく縮んでいって
経済規模は40年、50年前に戻っていきます
政府の進める、生産性の向上をベースにした成長、もくろみは
労働人口の平均年齢上昇で相殺になる思います
AIやロボティクスも一部の生産性は向上させますが
全体の底上げにはならず
経済規模には寄与しません
AIやロボットは消費しないからです
むしろ格差を増大させ、多くの不安感を増大させて
経済のシュリンクに拍車をかけるのではないでしょうか?
人口が国力を表す、という3000年来の真理は
まだしばらく真理であり続けるでしょう
日本政府は無視を決め込んでいるようですが・・
当社は「品質」に重きをおいてきました
他のメーカーさんが量産ができないような「品質」を
差別化の道具にしてきました
これからは「品質」ももちろんのこと
お客さまは「単価」について
もっと柔軟な対応を求めていると思います
それには、
ダイヤの直接仕入れや
タイの工場など
今、他のメーカーにはない特徴を
もっと生かす必要がある
その資産を、「品質」だけに向けるのではなく
「柔軟性」にも振り向けるようにしたい
時代の変化に取り残されないようにするためです
いつの時代もジュエリーは存在します
「変わること」さえ怠らなければ
生き残ることはそんなに難しいことではないでしょう
難しいのは、
「変わること」 だと思います
ありがとうございました
株式会社J-one
代表取締役 島田逹己
こんにちは
いつもありがとうございます
「マイクロ・セッティング」という
宝石を枠に留める技法があります
ここ10年くらいのデザインの流行が
キャシャでラインが細い傾向にあるのですが
こういう細いラインに
小さなダイヤをセットするのに欠かせない技術です
細身のラインに小さいダイヤを留めるとき
ツメが大きかったらダイヤがキレイに見えません
小さいダイヤを極小のツメで留める技術が
マイクロセッティング
その小さいダイヤが
最近は極端に小さくなっていて
ひと昔前は
もっとも小さいダイヤが「0.01ct」くらいで、
約1.3mmでしたが
今は、「0.002ct」、直径が、なんと、「0.7mm」
こんな製品になります
こういう小さいダイヤを正確にキレイに留めるには
もはや肉眼ではムリなので
顕微鏡を用いて留めます
その顕微鏡を用いて留めることを
「マイクロ・セッティング」と呼んでいます
このことは意外とジュエリー関連の企業の人も知らないことが多く
「マイクロ・セッティングってどんなの?」
とよく聞かれます
日本ではいまだに肉眼で留めることが多いみたいです
この「マイクロ」は
海外では20年以上前からすでに「常識」で
小さいダイヤではなくても
「マイクロ」で留めるのがすでに一般的
どうしてかというと
大きいツメでも
ていねいに留めることができるからです
肉眼で留める場合
実際に職人はツメとダイヤが接するところは
見えていないまま留めているそうです
見えていなくても留める感覚を磨くことが大切だった
でもマイクロの場合
実際にそれを見えて留めてるから
早いし
正確
そして、ダイヤを破損しない
だからすでにマイクロが一般的です
ところが日本では
職人さんが高齢化しています
新しい技術はむずかしいですし
今までのやり方を変えることができにくい
だから日本ではあまり普及していないようです
実際マイクロは、
最初からこれで訓練を始めた人でないと
スピードと正確さのメリットはあまりありません
また、「マイクロ・セッティング」は
複合技術であって
マイクロ単独ではメリットも限定的です
マイクロは
CAD技術と
ダイヤの仕入+選別技術を組み合わせることで
最大のメリットを発揮します
CADは小さい爪を作ることができ
ダイヤ仕入+選別は、小さくてもきれいなダイヤのためです
CADはデジタルで原型を作製する技術です
昔は手作りで原型を作りましたが
今はコンピューター上で設計し
3Dプリンターで出力します
このCADで手作りでは不可能な小さいツメを実現します
ちょっと主題からは外れますが
このCADって便利なんですけれど
手間をかけないと、どうしても
かたーいイメージの商品になってしまいます
使い方のあまり上手ではないブランドさんの製品なんか見ると
よくわかるのですが
硬い
これってCADの入力方法に起因すると思うのですが
立ちやアールを細かく調整するとか
手作りをできる人が手で調整する
など手間をかけないと自然な曲線が得にくいんです
やはりジュエリーは手間をかけないと
きれいなものにはなかなかなりません
さて次にダイヤの仕入ですが
マイクロに用いるダイヤは小さいだけに
カットがキレイじゃないと光りません
やっぱりジュエリーって光ってなんぼですから
キレイって大切なんです
ところがダイヤって
小さいものほどカットが良くないものなのです
どうしてかというと
小さいと治具は使いますがほとんど手でカットします
だから熟練が必要
また、小さいダイヤは零細業者が生産を担っています
大規模研磨業者はこういう不効率なことはしたがりません
日々の資金繰りに悩む零細は
どうしてもきれいなカットにするよりも
原石から歩留まりのいいカット
=削り落とす量が少ないカット
=ファットなカット
にしてしまう
だから1mm以下のサイズできれいなカットのダイヤは
少ないのでプレミアム価格なんです
私がインドまで仕入に行くのは
安い、ってこともありますが
こういう国内では入手しにくいダイヤを仕入れる目的もあります
こんなふうに「マイクロセッティング」って
個人の技が必要なだけではなくて
企業の組織力と姿勢も必要な技術なんです
いままでの職人のように
個人のチカラに頼るだけでは実現できない技術です
いろいろ苦労することも多い技術ですが
それだけに
できあがった製品もとってもキレイ
それだけで報われますね
当社の製品はお客様から
「キレイ」
「御社がナンバーワン」
って言われることが多いんです
そういっていただけるのが私の自慢です
ありがとうございました
株式会社J-one
代表取締役 島田逹己
こんにちは
いつもありがとうございます
ダイヤの仕入れでは
値段交渉がとても大切です
ダイヤモンドには定価があるわけではなく
どこから、どう、仕入れるかで
値段は大きく違います
極端な場合
同じ品質でも2〜3割違うでしょう
ふつうの日本人の感覚では
「シロウトはだまさない」
そういうものだとおもいます
プロの自負がそうさせるのですが
インド人の場合
シロウトであろうがなんだろうが
ムシれるものはとことんムシります
「相場を知らない方が悪い」
そう思ってると思います
私の場合、仕入れ先をある程度限定していますので
(ブランド企業様は「コンフリクトダイヤ」=紛争ダイヤを避けるため、
原石の仕入れが明確なデビアス社のサイトホールダーからしか仕入れません)
お互い顔なじみだし
仕入れる品質はいつもほぼ同じ
それなのに、毎回毎回
同じような値段交渉をしなければなりません
日本人の「いつもの」的な感覚はありません
いつも同じ品質を買うのですから、
前回の値段から、その時の相場をプラスorマイナスすればいい
そう思うのですが
そうはいかず、
インド人がかならず口にするのが
「原石の値段が上がった」(事実はかなり疑わしい)
「ルピーが安い」 (事実はかなり疑わしい)
「研磨工賃が上がった」 (事実はかなり疑わしい)
「このサイズは今高い」 (事実はかなり疑わしい)
毎回、毎回、同じ言い訳をずっとしていて
いつも値段交渉をありえない価格から始めます
時間の無駄だと思うのですが
それでも少しでもこちらのミスがあれば
高く売れると思うのでしょう
刑事さんが犯人取り調べの時に、
しつこく同じ質問をして、
同じ返答をするのか見極めることで
犯人のウソを見破る
これと同じような感覚ではないでしょうか?
いい加減バカにされているような気になりますが
それでもインド人はいたって本気です
それをあれやこれや交渉していきます
ダイヤの相場価格に関しては
毎日ディールしているインド人の方がよくわかっています
私の方は前回410ドルで仕入れた品質でも
現在の相場に関してはわからないので
「今は420ドル」と言われても
その真贋を判別できません
そのままでは高く仕入れてしまうかもしれません
では、どうするかというと、
相手にいつも「同業他社と比較されている」
そう思わせるような行動を取ることで
相場を引き出します
また、その会社と同格でライバル意識のある他社と
取引していることを意図して流します
「こいつはライバルからも仕入れている」
そういう対抗意識も持ってもらいたい
そういう前提のもとに
前回仕入れなかった、仕入れを少なくした会社に行って
「今回はいくら?」と聞くことで
相手の「水心」を誘います
安い!と思ったら
思い切った量を買うことで
「こいつは安くすれば買う」
そういうイメージも持ってもらいたいです
めんどうで時間もかかるのですが
「こいつはカモ」
と思われないための基本的な方策です
「こいつは喰えない」
「やなやつ」
そう思ってもらわないと
安くダイヤは仕入れることができないでしょう
日本人の感覚だと
良い関係を築くことが
良い取引の基本だと思いますが
インド人は、基本
そんなことは関係なく
プロの眼識と値段交渉がすべて
こちらが良い関係を築いたつもりで
相手の言い値を信用すれば
それこそムシられてしまいます
以前こんなことがありました
ダイヤではなく
シルクのスカーフを買った時です
私は頼まれて100枚買うつもりでした
最初、値札は「50米ドル」
もちろん1枚の値段です
それを「30ドルにするから買わないか?」から始まりました
「話にならないよ、5ドルだろ?」
100枚買うことはまだ伏せています
「それじゃ仕入価格にもならないよ、20ドル」
「2枚買うから1枚5ドルにしなよ」
「15ドル」
「10枚買うから、1枚5ドルでいいだろ?」
ここまではよくある話ですが
問題はこの後です
いったんここで店を出て、
他のお店に行くふりをします
しばらくして戻り、交渉再開
「お帰り、わかったよ、10枚買うなら全部で100ドルにする」
「じゃ、50枚買うから1枚5ドル」
「・・・・・、8ドルなら売る」
「じゃ、100枚買うから全部で500ドル」
決定価格は結局1枚6.5ドル、全部で650ドル払いました
最初の値段っていったいどんな値段?って思いますよね
インドではすべてこんな調子で
値引き交渉があることを前提とした価格を表示します
それにしても値札の1/8
こんだけ値切れば、日本人なら怒ってもあたりまえですが
ところがインド人の場合は違います
このシルク屋さんのおやじ
帰り際には私に握手を求めてきて
「Good Fighter!」
「またビジネスしよう!」
インド人は
値段交渉が厳しい相手をほめたたえる
そういう感覚を持っているんです
ビジネス的にも量を買うことで
相手にもしっかり儲けさせてます
1枚30ドルで売るより
100枚を650ドルのほうが
入るお金も多いし、利益も多いはず
だから
値切っても問題ない
それに他の店から買われたら
自分の手に1ドルも入らない
だから厳しい値段でも
自分にメリットがあれば売ります
日本人だと値切ると
自分を値切られているような感覚になるのでしょうか?
怒る人が多いと思います
値切ると気分を損ねて
「おまえには売らない」
そういうことって多いと思います
インド人は結果が全てだと思います
こんなふうに
ビジネスの感覚が違うので
インドでの仕入は日本人であることを忘れて
えげつなく取引します
いかがでしょうか?
インドの感覚、おわかりいただけましたでしょうか?
ありがとうございました
株式会社J-one
代表取締役 島田逹己
こんにちは
いつもありがとうございます
先日、かつての名作映画
「ウエストサイドストーリー」を見ました。
トーホーシネマズで朝10時から、
1週間のローテーションで昔の名画をやってるんです
このウエストサイドストーリー、
名画も名画、
かなり前ですが、
日本の著名文化人が選ぶ、心に残る映画ランキング
2位だったと思います
特に女性が好んでいたはずです
私も最初見たときは、中学生くらいにテレビで
妹と一緒に見たのですが
妹がいたく感動していました
どういうストーリーかというと、
ようは、恋愛映画+アクション映画
「ロミオとジュリエット」に
マイケル・ジャクソンのPV「ビートイット」を足した感じです
対抗する不良グループの関係者が恋愛関係に落ち、
抗争がエスカレートして、男が刺されて死ぬ
そういうストーリーです
セリフにも「Beat it!」(どけ!)って
何回も出てきます
古い映画でも、
今見ても感動する映画もあれば
古さばかりを感じる映画もあります
ウエストサイドストーリーは
1961年製作なので58年前
私は正直、古さばかりを感じてしまって
おもしろくありませんでした
ミュージカル物があまり好きではないこともありますが
楽しめなかったのは古さのせいだけではないと思います
その前に見た「ヴェニスに死す」は1971年
5回めくらいですが改めて感動しましたし
1973年の「惑星ソラリス」だって何回見たかわかりません
でもどうしてなのか、名画の誉高いこの映画
私はダメでした
あらためて、なぜ、なのか?
自分なりに考えてみたのですが
ウエストサイドストーリーが当時ウケた理由は
かんたんに言うと
「恋愛」+「アクション」
だと思います
これを
「恋愛=感情」+「アクション=刺激」
と置き直すと
「感情」+「刺激」
がこの映画の受ける理由だと思います
ところが、60年前の「アクション」は
銃すら出てこず、ナイフがせいぜいですから
今の過激な暴力シーンと比べると、
ほとんど刺激らしい刺激は感じません
駆け落ちするはずの彼を殺された女の子の嘆きには
大いに同情して感情移入するのですが
アクションシーンがおゆうぎに感じられてしまう
今の映画の過激なアクションシーンに
慣れてしまっています
「感情」はいつの時代も変わらないけれど
「刺激」はどんどんエスカレートする
だから、刺激に訴えるような映画は
時間に耐えられない
そう思いました
どうしてこんなことを考えるか、というと
私もジュエリー のデザインを考えるのですが
時間に耐えるデザインが良いデザイン
そういう思いがあるからです
今良いデザインだと思っても
10年後にもそう感じるだろうか?
30年後にもお客様に使ってもらえるだろうか?
そういう疑問を常に感じます
だからどうしてもシンプルなデザインになりますし
実績のあるトラッドな要素を重視しますし
バランスの取れたデザインを好みます
反対に簡単に雰囲気を出せる
ホーニングやミル打ちなどの手法を
あまり評価しません
10年たっても20年たっても美しいと感じる
そういうジュエリーを作りたい
今回のウエストサイドストーリーを見て
ジュエリーデザインでも
「刺激」に訴えるようなデザインはやめて
ひとが普遍的に持つ「感情」に訴えるような
そういうデザインを心がけるべきだ、
あらためてそう思いました
言うは簡単で
行うはとても難しいのですが
心がけるべきことはよくわかりました
ありがとうございました
株式会社J-one
代表取締役 島田逹己