唐様で書く3代目
こんにちは
いつもありがとうございます
去年の後半から
息子が会社に入りました
私が作った会社なので
息子は2代目
現在修行中です
実は私も「2代目」の経験があります
父の会社で働いていましたので
「4代目」修行をしていました
創業者と2代目、
どっちのほうが難しいと思いますか?
後を継ぐよりも
創業の方が難しい
そういうイメージがあると思います
「創業者なんだ。すごいね」
そういう言い方をされることがあります
世間的には
「2代目はロクでなしの可能性もある」
「創業者の方がエライ」
みたいな雰囲気があると思います
2代目は、まず
そういう偏見?との戦いが始まります
2代目が会社を潰したり
親の苦労を・・・
そういう話が流布しやすいので
後を継ぐなんてカンタンで
2代目がおバカさんだから
せっかくの会社を潰す
そう思っていらっしゃる方が
多いのかもしれません
2代目と創業者、両方経験した私からすると
どっちが難しいかっていうと
明らかに、圧倒的に、
2代目の方が難しいと思います
意外ですか?
こういうことです
周囲の状況からしかたなく創業する
そういう方もいらっしゃると思いますが
創業者のほとんどは
自分がやりたいから創業してる
なるべくしてなっている
そういう人ではないでしょうか?
だから創業者って、
やりたいことをやってるだけです
だから偉くも、すごくもなんともありません
少なくとも、
精神的なプレッシャーは
2代目ほど大きくはありません
社長は孤独、とかよく言いますが
創業者ってそんなこと、
考えたことも、感じたこともないと思います
意味としてはわかりますが
私は一度も感じたことがありません
そういう人が創業するのでは?
2代目は違います
本人の意思や意欲に関係なく
そういう状況に置かれていて、2代目
私も経験ありますが、2代目って
「なぜこの仕事をするのか」
その理由がありません
なぜなら、自分で作った会社ではないし
自分から望んで入社した、というより
使命感から入社してるからです
私もそうでしたが
使命感から2代目になる人、多いと思います
最初はいいのですが
使命感ってそういつまでも続かないし
周囲も応援ばかりではありません
こういう問題もあります
2代目が後を継ぐ頃って
先代が創業してから
20〜30年くらい経ってからです
2、30年も経てば世の中が変化してきて
先代のビジネスは過渡期を迎えてるものです
創業の時には売れた製品やサービスも、
20年も経てば売れなくなっているものです
「企業30年寿命説」がささやかれる理由は
これだと思います
だから息子の入社時期は
先代が始めた仕事を変革する時期
ところが周囲は、
仕事が陰り始めたのは2代目のせい
みたいに言うし
変化が必要だから変えようとする2代目を
変革者とは見ずに
経費の無駄使いのように言い始める
そのうち2代目も、
周囲からのプレッシャーに屈服しそうになる
そんなものです
ね、脳天気な創業者に比べて
2代目の方が難しいし、辛いでしょう?
私が25歳くらいの時に
地元同年代の2代目で
サークルができました
同級生の一人が、地元代議士の2代目
その選挙応援組織だったのですが
その本人がロクでなしだったので
すぐ選挙応援などはしなくなり
そのまま、2代目研究会みたいになりました
最初は約30人くらいから始まり
今は10人です
退会者の多くは会社が倒産
もしくは、自粛
上記以外の理由での退会者もいますし
入会者もいました
また、退会したからロクでなしってことは
ないのですが
事業が順風満帆な人の退会も少ない
そこから考えると、30年間で
事業の継続性に赤信号が灯る確率は
60%を超えるのではないでしょうか?
そう考えると
2代目に必要な能力とは
変革者としての能力なのかもしれません
社員は基本的に「そのまま」を望みます
リスクのある変革を望む人は少ないものです
それでも変革は必須ですから
社内には変革の必要性を
真剣に考えている人はいない中で、
孤独に変革を成し遂げる
これが最も難しいことであるからこそ
生き残り率が30%を切るのだと思います
この2代目論議、
昔からあるようで
貞観政要にも、2代目の方が難しい
とありますから
時を超えています
こう書いていて
私自身、2度と2代目はやりたくありません
っていうか
私は2代目に向いていません
こういう綿密さと、
忍耐力と知力、
周囲の理解を得るための調整力というか人物
そういうものが私には
完全に欠落しています
社長にも
創業に向いている人と
後を引き継ぐことに向いている人と
向き不向きがあるのだと思います
願わくば
息子に二代目の才能がある
創業ではなく
変革の才能があることを祈ります
ありがとうございました
株式会社J-one
代表取締役 島田逹己