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2022.02.17
ダイヤモンド相場急騰!!

こんにちは

いつもありがとうございます

いま、ダイヤ価格がすごいことになってます

素材関連は、金でも原油でも

レアメタルでも飼料でも

世界で急騰していますが

どうしてダイヤモンドが?

ダイヤって専門の業者以外扱わないし

かなり限られたマーケットでは?

原因ははっきりしていないのですが

とにかく値上りがすごい

品質によって値上り幅は違いますが

きれいなところが 3割

悪い品質は ほぼ倍だそうで

インド人ディーラーもびっくりしてます

「ボク、30年やってるけど

 こんなことはじめて」

「毎週値段が変わる!」

インドでは、待てば在庫が値上りするので

持ってる在庫を売りたがりません

去年の夏くらいに兆候はあったんです

原石の値が5%上がった

これは、長引く消費不況のため

ダイヤ価格がインドでじりじり下がっていた

この対策にダイヤモンドカルテルが

取った方策だったと思います

11月のインドの長期休暇

(ディワリといいます)

通常インドのダイヤモンドディーラーは

このディワリ前に在庫をできる限り減らします

通常の12月のインドマーケットには

あまり良い在庫もなく

量もないのが普通です

その分取引も少ないことが普通です

去年の12月はちょっと違いました

15%値上り、

年が開けると20%を超えていました

とにかく在庫が薄い状態らしく

そこに、

アメリカと中国、インド国内からの

オーダーが大量に入ってるらしい

原石サイトでも、ニュースによると

ボツワナで13%値上り

カナダで15%

ロシアでも18%

先週のラパポートニュースでは

(ダイヤモンド専門のニュース)

最初に「WARNING!」をつけて

マーケット状況を伝えています

昨日話したインド人ディーラーは

「来月はもっと上がる

 悪いこと言わないから

 あるだけ買っとけ」

いま、日本でも

専門業者さん、ブランドさんも驚き、

対策に奔走してます

異常な事態です

ですが

あまり踊らされないほうが良いかも?

もしかしたらそのうち沈静化して

値段は落ち着いてくるのかも?

私自身はその可能性が

あるかもしれない、と思ってます

必要な量を必要なだけ

その時の相場で買っといたほうが

安全かも

しばらく前、コロナの2、3年くらい前

インドの銀行がダイヤモンド業者への

資金供給を絞ったことがあります

まず

インドで銀行の淘汰が起きて

ダイヤ業者の信用不安が起き

急成長していた数社が倒産しました

また資金不足から

在庫を大きく削減した業者が多かった

この時に

スーラットの研磨業者でも

急成長した会社は借入が多かったので

研磨工を大きく削減して

事業を縮小した

それに加えて、

これはインド人のディーラーから聞いた話ですが

老舗のダイヤ研磨大手は

儲けが少ない本業に資金を振り向けず

アメリカ株や不動産投資など

もっともうかる投資に資金を振り向けた

老舗はすでに2代目、3代目ですが

彼らはあまり「家業」とか固執してない

ダイヤ業者って、もともとは

金の密輸業者だったらしいですし

もうかることに投資する

だから、

大手がダイヤの生産量を減らしていた

もしかしたら

発端はここではないでしょうか?


ここからは想像ですが

これらの事情の結果、

インドのダイヤ研磨業者では

「生産能力不足」になっていた

でもコロナで

世界のダイヤ需要は減っていた

だから

生産不足はコロナの間は表面化しなかった

けれども

経済再生の動きが世界で起き

需要が急増

さらに

ダイヤモンドカルテルのデ・ビアスが

10年前に

原石価格調整を放棄したこともあり、

以前では考えられない大きな価格変動

が起きているのでしょう

それが今回のダイヤ価格急騰に

つながっている

私はそう読んでいます


こんな事情もあります

ダイヤモンド研磨の街スーラットでは

IT機器の進歩のおかげで

利益が薄い労働集約型の低価格品を避け

投資還元率の高い製品

=高品質なものや

=サイズの大き目のものへ

生産をシフトする傾向にあった

こちらをご参考ください

https://j-one-net.com/blog/entry-12457233774/



このことが、今回の急騰で

サイズが小さく低品質なものほど

値上げ幅が大きい原因ではないでしょうか

原石価格の上昇ですが

コロナでアメリカでも労働者不足ですが

同じ理由で、

ダイヤモンド鉱山労働者が減っているからでは?

運営会社は、産出量が減っても

鉱山の収益を確保しようとして

マーケットの過熱を知って

原石サイトでは販売価格を上げている

それが原石価格高騰の理由では?

これらの複合理由で

ダイヤ価格が大きく動いているのではないか?

そう、想像しています

これから、利に聡いインド人は

どう動くでしょうか?

大手の資金不足が原因なら

簡単に解決しない可能性はありますが

もしそうなら

原石を買えないはずですが、

そんなことは起きていません

インド人はすぐ増産に動くはずです

アメリカ不動産投資よりも

ダイヤの利益率が高いならば

大手は資金を振り向けるはずです

今はアメリカ投資は微妙ですから

大手は資金を投入するでしょう

それだけ、今のダイヤは高い

だから

おそらく3ヶ月後には

在庫不足は緩んでいるのでは?

今買った原石の

ニューグッズが出る2ヶ月後以降は

少し鎮静の方向に動くかも?

そう思っています


今回のことで

ダイヤは以前のように

安定価格商品ではなくなり

相場商品になってしまった

このことは

関係者の頭に深く残ると思います

急騰があるってことは

暴落もある

皆さんダイヤ相場に

神経質にならざるを得ません

インドマーケットの動向に

インド人の動向に

注視せざるを得ません

この30年で

インド人はユダヤ人から

ダイヤの利益を奪い続けてきました

最初は

研磨だけの低賃金労働から始まり

次第に流通を川上から牛耳り

今では

ダイヤマーケットは

インド人なくして成り立ちません

特に日本では

ダイヤ流通はインド人の寡占状態ですし

ジュエリー卸にも、製造にも

進出してきています

今回の価格暴騰騒ぎでも

もうかっているのはインド人だけ

私たちは踊らされているだけです

10年後が恐ろしいですね


ありがとうございました

株式会社J-one

代表取締役 島田逹己


2022.02.09
倒産の私的研究2

こんにちは

いつもありがとうございます

前回は

同業者の栄枯盛衰のお話でした



バブルのあと

同業者が次々に倒産しました

その時の経験談でした

その続編です

倒産する企業には

共通することがあります

その話をします

ちょっと横道にそれます

思えば貴重な経験だったのですが、

父の会社にいた時、

お客様の支払いが止まった時や

倒産した時は、

私が担当してました

他の営業や先輩・上司の担当得意先でも

すべて私の役目でした

命令されたわけではありませんが

自然とそうなりました

お支払いが止まると、お客様を訪問します

ですが、お支払いをお願いしても

払っていただけません

ここで警察を呼んでも意味がありません

支払いの問題は「民事」だからで

警察は「刑事事件」専門です

裁判してもムダです

支払い能力がなければ

裁判所が命令しても意味はないからです

できることは

金庫を開けてもらって

自社の製品でも他社製品でも、

所有者の同意をもらって

現物回収するしかありません

ですが、同意していただけることは

ほぼ100%ありませんし

そもそも、

金庫の中はカラですから

回収はほぼムリです

資金繰りに困った経営者が

真っ先にすることは

在庫を現金に変えることです

100万で仕入れた宝飾品でも

目先のお金に困っていると

5万でも10万でも売り払います

だから在庫がないんです

特に

倒産が発覚した後では

会社の在庫を含めた資産はすべて

弁護士が保全しているので

回収の交渉をすることすらムリです

理不尽なのは

社長個人に多額の資産が残っていても

個人資産を法人の支払いに回すことを

裁判所は命令できません

個人と法人は別、だからです

ですから

倒産を意識し始めた社長さんは

会社の資産を、いつのまにか、

自分の資産に変えてしまっていることが多いんです

例えば、在庫を現金で売り払って

そのお金を会社に入れず

自分のモノにしてしまいます

在庫は台帳には存在しても

いつの間にか「紛失」してます

よく映画なんかで、

ヤクザ屋さんが脅してお金を取りますよね

なぜこんなことが起きるかというと

倒産企業であっても

会社に金は無くても、社長個人は持ってる

だから脅して、同意、させる

とても普通の民間人ではできません

わたしも車1台が限界でした

倒産した会社の社長さんは

目を伏せて小声で話をします

とても小さく見えます

こうはなりたくない

私自身、深くそう思いました

だからこそ

倒産事例から学んだのですが

倒産企業には

共通することがあると思います

前回お話しした、同業者グループ

この24社については

ある程度事情を知っていましたし

社長さんの人となりを知っていた

だからこそ

学ぶことも多かったのですが

不振企業には特徴がありました

そのひとつに

社長さんが

ライオンズクラブや青年会議所などの

「社会活動」が好き

名誉職に就くのが好き、

というのがあります

5社の社長さんが

「青年会議所が大好き」でしたが

5社中3社が倒産して

2社は開店休業ですから

「社会活動」はかなりリスクが高い行為です

また、売上が良くない会社に限って

県の助成金とか

国の特別支援金、みたいな

そういうことに熱心でした

これって

宝くじを会社で買うようなものです

そんなのは一時しのぎであって

自分のビジネスの改革にならないから

たとえ当たったとしても

未来を開拓することにはなりません

むしろ危険なことだと思います

「本質から目をそらす」

これも不振企業に共通してます

例えばですが、

グループの社長24人には年代の差があり

この年代差が、一致団結できない原因、

そう主張する人たちがいた

「酒を飲みながら話せばわかりあえる」

若い人は本音を言っていない、だから

酒を飲ませれば本音を話すだろう

だから合宿をして、一晩呑み明かそう

これって解決策ですか?

このグループの目的は

団結ではなく

展示会の売上です

団結を議論するのではなく

売上を伸ばす方策を

議論するべきですが

なぜか、この

売上を伸ばすための話し合いは

一度もなく

団結をなんども話そうとする

スポーツならわかりますが

団結すると売上も

伸びるものなんでしょうか?

団結よりも

会社間の競争を促すべきなのでは?

事実、この時団結を主張した会社は

いま、社会に存在していません

こういう特徴もあります

24社のうち

ほぼ最初に淘汰された1社の

倒産まぎわに実際あったことです

会合の時、グループの他の20社に

「在庫を買ってくれ」

「1000万円ないと倒産してしまう」

20社くらいが均等に1社約50万円分

購入することになったのですが

買取依頼された在庫を見てびっくり、

価値がないものばかり

どう計算しても1万円にもならない

お金をくれ、と言っているようなものでした

「仲間なんだから、助けてくれよ」

そう言いたかったらしい

私は思うのですが

自分の会社のことで

  ひとに頼る

そういう発想が倒産を招くのだと思います

「自分以外に誰にも頼れない」

このことは社長さんなら

誰しも持つ諦念というか、覚悟

どんな親しい友人だって

お金のことは頼めない

家族だって

精神的には頼れても

お金のことは頼れない

「何があっても自分の責任」

今思うと、

この覚悟がこの社長さんにはなかった

ひとに頼るな、とは

お金に困っても

自分でなんとかしなさい

という意味ではありません

お金に困ってからでは

どうしようもないでしょう

私が言いたいのは

自分自身のちからで

他の会社、得意先、運、

特に今までの成功体験などに頼らず

会社の弱点を少なくし

強みを作り

得意先に対して

唯一の価値を提供できるようにする

困る前に自分の力で

強みを作るようがんばるべきだ

そういう意味です

私はこのことを

ある旅館さんに学びました

ある温泉旅館さん

お客さんからの予約が多くて

予約はいつも1年待ち

どんなにすごいのか知りたくて

私1年待って泊まってみたことがあります

行ってみると、

この旅館さんは、ぽつんと1軒

いわゆる温泉街の中にあるのではなく

長野県の田舎町の町のはずれ

それも谷間みたいな場所

そこにポツンと一軒だけの旅館です

周囲には観光名物は何もないし

山の陰で眺めも良くない

ただ寒いだけで

行って楽しいところではありません

ところが予約が取れない旅館なんです

周囲にライバルがいないから一人勝ち?

ではないと思います

なぜ不利な条件なのに

予約が取れないほど人気なのでしょうか?

個人の解釈ですが

この旅館さん

付近には観光名物もなく

温泉郷の名前や宣伝も期待できない

だから

自分自身の力でお客さんを呼ぶしかない

その努力の結果ではないでしょうか

並大抵の努力ではなかったと思います

しかし自分で呼ばなければ

お客様が来てくれるはずがない、

そういう状況だったと想像します

それが、強みになったのだと思います

弱みを強みに変えた

もし、この旅館さん

温泉郷の一員だったなら

ここまで強くなることはなかった

そう思うのです

同業者グループ24社を振り返ると

グループという名の温泉郷に頼った会社が

まっさきに淘汰されたのではないでしょうか


自らの力を磨くことを努力せず

自分以外に頼る

その気持ちが

倒産を招くのではないでしょうか?

私はある時点で見切りをつけて

このグループを脱退しました

(祖父や父には申し訳ありませんでしたが)

最後に

脱退表明後、ほかの社長さんたちから

浴びせられた言葉をご紹介します

「親父さんはみんなのために頑張った

 お前もそうしろ」

「いいお客さん捕まえたらしいな

 独り占めか?」

「バカのくせに運が良かっただけ」

「ずるいぞ」

「何をするつもりだ、教えろ」

これらの言葉の裏にある

「ほかの人の頑張り」

「ほかの会社のお客さん」

「運」

など

「自分以外に頼る気持ち」が

おわかり頂けると思います

ありがとうございました

株式会社J-one

代表取締役 島田逹己


2022.01.26
倒産の私的研究

こんにちは

いつもありがとうございます

当社の源流は

私の曽祖父が始めた

創業1905年の宝飾メーカーです

聞いた話ですが

地元の宝飾メーカーでは

5番目の古さだそうです

曽祖父は職人でした

地元の大店の下請けだったそうです

祖父は下請けの安住から

製品を自分のリスクで作り

自分のリスクで売り始めました

父は祖父の方針を広げて

市内のビジネスから脱却して

全国へ売りに行きました

私は父の会社で

しばらく営業をしたのち

生産受託の仕事を始め

別会社化しました

別会社化の前は

父の会社で修行してました

仕入れや

製品の良し悪し

職人の気質

組織

などですが

本当に勉強になりました

特に、一番勉強になったのは

「お客様の求めること」

優秀なお客様には見えない要望があります

その要望を叶えるように努力することで

会社は強くなり

成長することがよくわかりました

2番目は

「なぜ倒産するのか?」

を学べたことです

私が修行し始めて

3年後くらいにバブル崩壊

その後、お客様や同業者が

どんどん倒産しました

その様をつぶさに見て

自分なりに

「どういう企業が倒産するのか」

すなわち

「何をしてはいけないか」

を考察できた

これがとても勉強になりました

その倒産事例の中でも

祖父らが始めた同業者のグループ

このグループを構成していた24社の

栄枯盛衰を見ることができたことは

とても勉強になりました

先日ある人から

「見る影もない」

と指摘され

あらためて、この24社の

その後を追ってみました

現在

廃業もしくは倒産が、13社

開店休業状態が、6社

生き残りは5社

生き残りは5社でも

5年後に向けて投資できているのは

2社のみ

恐ろしい数字だと思いませんか

なぜこのグループがダメになったのか

以下は私の考察です

このグループ

同業者で共同展示会を開き

全国から問屋さんや小売店さんを呼ぶ

そういう共同仕入れ会を開催していました

バブル前の全盛期を私も見ています

正確な数字は覚えていないのですが

今の年間売上に匹敵する売上を

3日間で作っていました

これを年に2回行いました

とても簡単に大きな売上ができるので

他の月は営業活動をしない会社もあるくらい

この共同展示会の、そもそも、は

宝飾卸のビジネスは

2月と8月の売上が慣習的に悪かった

それを補うために始めたのだそうです

だから年2回、2月と8月

ところがこの展示会の売上が

メインになった会社がありました

本末転倒です

この展示会での売上は

各社均一ではありませんでした

6割は4社が作っていました

この4社が集客するので

そのおこぼれを期待する会社もありました

そういう会社は、売上が落ちた時

集客できる4社が

「お客を囲い込んで

 オレたちに客を回さないのではないか」

と勘ぐっていました

集客は売上に直結するので

努力を惜しんではいけないことですが

その肝心かなめの集客で

他社をあてにしている会社がありました

商品も各社様々です

自社で多数開発要員を抱えて

毎回新製品を売り出す会社もあれば

開発費を惜しみ

他社からの仕入れで済ます会社もありました

もっとひどい会社は

売れている会社のヒット製品を

コピー販売していました

景気がいいときは

独自性がない製品でも売れるでしょう

ですが、

その会社ならでは、がないならば

お客様はいつか離れてしまいます

展示会の運営費は各社の均等割りではなく

売上額の大きさで決まりました

経費は売上で各社の負担が決まりましたが

運営会議の投票権は

売上に関係なく、1社1票でした

当然、

売上の小さい会社に有利な条件が決定され、

売上の大きい会社の負担が

重くなっていきました

例えばですが、

売上に陰りが出始めたとき

こういう提案がありました

「新しい製品やサービスを持つ

 新しいメンバー企業を募集したらどうか」

展示会全体としては売上増が見込めます

ところが、

大手のおこぼれ売上に依存している会社は

新メンバーが参加すればその会社に

おこぼれを奪われかねないと懸念して

大反対でした

私はこう発言したことを憶えています

当時、ギボンの「ローマ帝国衰亡史」を読んでいたので

「ローマ帝国の繁栄は

 新しい血を入れ続けたことによる」

「目先の損得は考えず

 全体の利益を考えるべきだ」

大手4社より

数ではおこぼれ組の方が多いので

多数決の結果、否決されました

現状維持以外の

選択はできない仕組みでした

改革がままならないなら

組織は次第に、

時代においていかれます

おいしいビジネスは

すぐに他社も後追いします

後発メーカー20社が

同じような仕組みの展示会を始めました

その後も新規参入は続きましたし

展示会開催をビジネスにする会社は

もっと規模が大きく、

魅力的な展示会を始めました

その後、

展示会で仕入れる、ということがなくなり

展示会のニーズが変化し

そもそも

ユーザーの嗜好の変化に

ついてこれない企業は淘汰されましたので

展示会に来場する企業が激減しました

このグループは現在

活動を停止しています

どういう会社が倒産したのか

改めて説明するまでもないと思います

5年後にも

確実に生き残っているであろう2社が

どんな特性を持つ企業なのか

ご説明申し上げなくても

おわかり頂けると思います

私が生き残ることができたのは

曽祖父、祖父、父から学んだからです

祖父も父も

ビジネスの姿勢は変えず

新しいマーケットにチャレンジしました

「同じ仕事をいつまでも続けることはできない」

ビジネス本やセミナーなどなかった時代ですが

祖父たちは本能的に

このことを知っていたのだと思います

父の仕事の様を見ることができたのは

とても大きい収穫でした

心から感謝しています


ありがとうございました

株式会社J-one

代表取締役 島田逹己


2022.01.06
ダイヤの鑑定

こんにちは

いつもありがとうございます


ダイヤモンドの品質表示にはルールがあります

「4C」と言います

この4Cで価格のおおよそが決まります

傷、内包物の程度を表す、「透明度」

大きさを重量で表す、「カラット」

黄色味の程度を表す、「カラー」

形状が理想に近いかを表す、「カット」

この4つの程度の組み合わせで

ダイヤは品質を表記します


本当はもっといろいろあって

評価軸だけで10項目以上ありますが

専門的すぎて

一般の鑑定書には表記されません


婚約指輪とかに使われる

ハイグレードなダイヤとか

ある程度以上の価値があるダイヤは

鑑定機関の品質証明が付くのが普通です

この「鑑定機関」によって

同じダイヤでも品質=価格が変わります

ぜひ、ご確認の上お買い求めください

確実なのは、

世界的な鑑定機関「GIA」の鑑定書

私はGIA以外信用しません

日本ではGIAが付かないことがありますが

その場合「中央宝石研究所」がマスト

他はまったく信用できません

「中央宝石研究社」とか

「中央宝飾研究所」みたいな

ダジャレみたいなのもありますから

ご注意ください

おもしろいのは

ダイヤの、「鑑定書」

ではなく、「鑑別書」

を添付して販売するショップさんもあります

大手のモールにも出店してます

「鑑定書」は、ダイヤの品質を定める

「鑑別書」は、宝石の種類を区別する

ですから「鑑別書」は

ダイヤモンドです、と証明してくれますが

その品質は定かにしてくれません

そういうダイヤモンドは

品質表示をしたくないから「鑑別書」

なんですから

とうぜん品質は推して知るべし、です

ひどいですよね

多くのビジネスは

プロと消費者の専門知識の差を利用して

利益を得ることが多いのですが

ここまでくるとサギに近いと思います

「鑑別書」みたいな

明らかなサギ行為は別にしても

どうして鑑定機関によって

ダイヤの品質表示が変わるのか?

不思議ですよね

ざっくりと説明します


ダイヤの「カラット」=重量や「カット」は

数値が基準なので

個人の感覚は入り込みません

ですが

透明度と色は違います

ダイヤには(FL以外)

必ず傷や内包物がありますが

人によりその程度の評価には差があります

また、色なども

あて石を使って判断しますが

境界線上の場合もあります

どちらなのか迷う時には

判断は個人の裁量です

ダイヤの品質鑑定にはこういう

「人の判断が入り込む」

このことがベースにあり

その鑑定機関の「ビジネス感覚」の大きさで

鑑定する人の判断もずれてきます

その「ビジネス感覚」とは

品質鑑定を依頼する側では

少し甘く鑑定してもらえば

売値が10%でも20%でも上がる

依頼を受ける側では

鑑定を甘く出せば、また次も依頼してくれるかも

そういう期待も生まれます

ある意味、

企業なら当然あるはずの「努力」です

その種の営業努力が行き過ぎた鑑定機関だと

世界基準のGIAの鑑定と

平気で2、3グレード変わることがある

そういうことです


じゃ、GIAは企業努力をしないのか?

というと

GIAは企業じゃないんです

だから営業努力をしない

だから信用できるんです

インドやアントワープ、香港など世界中で

プロ同士でダイヤの取引をする際は

必ず、GIAの品質証明が付きます

(欧州ではHRDもあります)


当社では

ダイヤの検品と品質確認には

GIA鑑定資格を持つスタッフが行ないます

資格習得者は3人います

ここまで説明すると

GIA資格は必須だと思いますよね

ですが、当社のようなメーカーは

まれなんです

当社の顧客企業は品質重視のブランド企業

だからいい加減なことはできないからです


こういう話をすると

ジュエリー屋さんってあやしい、

そう思われても困るのですが

こういうこと、

どこの業界でも同じですよ

例えば

オートバイの性能表示だって

重量も出力もカタログ値と実測は違いますし

カロリー表示も正確ではないそうです

中古自動車やバイクの走行距離は

証拠書類がなければ信頼できませんし

友人は中古住宅でだまされました

わたしはソフト開発で痛い目にあったこと

1度や2度ではありません

どこの業界でも

「姿勢」が大切なことは

変わらないと思います


ありがとうございました

株式会社J-one

代表取締役 島田逹己


2021.12.02
作ることと売ること

こんにちは

いつもありがとうございます

先日、「ジャパンジュエリーフェア」という

ジュエリー専門の展示会が開催されました

当社は参加していませんが

見学だけさせていただきました

知り合いも多いですし

以前父の会社で働いていた時の

同業者も多い

いろんな方と久しぶりに話しました


コロナ禍にもかかわらず

売り上げはとても良かったそうで

皆さん表情も明るかったのですが

「今後作り手に困る」

こういう話をなさる方もいました

こういう宝飾の展示会には

メーカーや工房は参加しません

参加するのは卸の問屋さん

卸は自分で作らず外注します

たいがい、小さな工房をいくつか

抱えています


父の会社は卸でしたから

やはりそうした小さな工房いくつかに

外注してました

私自身そうでしたから

よくわかりますが

そういう卸の会社は

工房のことなど、作り手のことなど

考えません

根拠なく工賃を叩きますし

納期もムリを言います

ダメならよそがやってくれる、と思ってる

ようするに、

作ることはどこにでもできて

売る方が大切、と思ってる

これからは少し様子が変わってきます


わたくし、

メーカーを運営する立場になりました

職人を抱える身になりましたが

「売ること」が大切なことは

変わりない、

そう思っています


よく、職人さんが勘違いすることがあります

ウデに自信のある人ほどカンちがいしやすいのですが

「いい製品を作れば売れる」

そう思っている職人さんは多いものですし

また、売れる理由は「品質が良いから」

そう思ってる職人さんが多いのですが

それは多くの場合、間違いです


こういうことです

ときどきジュエリー関連のニュースなどで

カルティエなどのハイブランドの1点もの、

3億円!

みたいなジュエリーが話題になることがあります

確かに、製作は至難の技

製作する職人の育成は短期間ではできませんし

そもそも素質がなければ、できないレベル

そういう職人さんがチームで製作してる

セットする宝石だって

揃えるだけで専門家が1年がかりでしょう

鬼のように資金も必要です

このレベルのジュエリーになると

世界で製作可能な工房は、数える程でしょう

とてつもなく高品質であることは

まちがいありません


ですが、

この3億円最高品質ジュエリー

無名の工房が作ったとしたら、

たとえば

超お金持ちのジュエリー好きが

お金にモノをいわせて、

職人と専門家を揃えて

同じ世界最高品質のジュエリーを作った、として

売れますか?

お金で品質は実現できます

ですが「売る=信用」はお金では買えない

3億が高いか安いかは

ご購入なさる方が決めることですが

そのかたはお金持ちではあっても

ジュエリーのプロではないでしょう

品質の良し悪しはわからない

ただ、3億円にふさわしいジュエリーであることは

カルティエの名前から知っている

だから購入するのです

3億円ジュエリーを

作ることができるカルティエがすごい、のではなく

3億円ジュエリーを

売ることができるカルティエがすごい、のです

それはたとえ3万円でも同じです

いくら3万円が割安価格だろうと

品質的に優れていようと

お客様には、基本、わからない

信用がなければ

「同じモノをもっと安く作る」とセールスする

値段優先メーカーにお客さんは流れる

だから、「作ること」よりも

「売ること」の方が大切なのです

かように、

売ることの大切さはわかっていますが

それでも、今後、

売ることと同じくらい「作る」が大切になる

誰にでもできることではなくなり

品質と信用のために

組織と戦略を持つ「作り手」が必要になる



卸が抱える工房さんは
親方が職人さん0〜3人くらいを育てる

親方の息子はたいてい継ぎません

ですから時間経過とともに

こういう工房はなくなります

すでに多くの工房で

ウデのいい職人は引退し

働き手は韓国人とベトナム人に代わりつつあります

外国人がダメ

と言ってるのではなく

お金のために働くならば

良いモノよりも

速さ=稼ぐを優先して当たり前

だからこそ

卸業者は自社で職人を抱えず

コストのかからない外注で済ますのです

いままで工房が

儲からなくてもいいモノを作っていたのは

職人の自尊心の部分が大きのではないでしょうか

良い品物はだんだんできなくなるでしょう

卸も「いいモノ」は作れなくなり

値段なりのビジネスにならざるを得なくなるでしょう


そのとき、当社は卸売にも参入できるのではないか

値段競争ではなく

品質競争のビジネスを認めてもらえるのではないか

そう思います

いいものをわかる人、欲しい人は必ずいます

だからです


ありがとうございました

株式会社J-one

代表取締役 島田逹己

http://www.j-one-net.com/


2021.11.20
フーバーとルーズベルト

こんにちは

いつもありがとうございます

先日おそろしい本を読んでしまいました

ビーアド著「ルーズベルトの責任」

H・フーバー著「裏切られた自由」

両方とも、

第2次世界大戦に至る経過を

私感を排除して

公文書や記録、関係者の手紙、証言で

解き明かした本です

わたくし、いろいろな本を渉猟してますし

それなりに読書量も多いつもりですが

こんなショックは初めて

読みながら、途中で天井を仰ぎ見て

10分以上放心してしまうことが

何度もありました

アメリカに対する見方が変わり

ひいては、

今までの自分の固定観念に対する疑念が湧いてきます

今まで学んだ歴史がすべてウソのように感じます


あまりに衝撃的な内容で、かつ真実であることから

ビーアド博士は発表直後、事実を認めたくないアメリカ世論から

社会的に迫害されましたし

フーバーの遺族はビーアド博士の受けた迫害を知っていたので

完成後50年も出版しなかったくらい

両方とも日本での出版はここ数年のことです

教科書の歴史記述を変える必要があるほどの内容です

ルーズベルト大統領は

前任者フーバーの経済運営をこきおろすことで当選

にもかかわらず、自らのニューディール政策が失敗

で、景気浮上をヨーロッパで起きた戦雲に賭けた

アメリカは第1次世界大戦の時に

戦争景気で大国にのし上がったからです

ここからルーズベルトはウソと欺瞞を重ね

数多くの失策と不見識で

戦争の被害を世界中で拡大して戦後に至る

この過程を客観的な証拠だけでつづってる

もちろん日本の記述もあります

背筋が寒くなる内容です

ルーズベルトは人種差別主義者でもあります


ところがルーズベルトは歴代大統領の中でも

歴史に残る名大統領、ということになっています

アメリカ人はウソを嫌いますが

ルーズベルトは大うそつき

彼の不見識、不勉強のために、

世界中で死ななくても済んだ人は1000万人を超える

でも勝利した戦時の大統領ということで人気

数々の失策と不見識は不問

フーバー大統領を今省みる人は少ないでしょう

でも、苦学してビジネスで成功した人だけに

感謝と誠実を絵に描いたような人物

この二人を比較して

ルーズベルトのような人になりたい

などと、この本を読んだ人は誰も思わないでしょう

ですが尊敬されているのは

フーバーではなく

圧倒的にルーズベルト

結果を出す事の方が

誠実である事よりも大切

そう教えられているようです

会社の運営でも

誠実さより

生き残るためならば

顧客へのウソやごまかしは許されるのでしょうか

それを平然とできなければ

ルーズベルトのようにはなれない


会社運営はきれいごとだけでは

済まされない事があります

以前痛い目にあった事があるのですが

コスト競争のために

規定を破る

品質にウソをつく

そういうメーカーとは値段では必ず負けます


だから当社は値段競争はしないように

品質競争

信頼度競争

をするようにしていますが

値段競争をいつまでも

避けていられないかもしれない

その時はどうするのか?

顧客に誠実なら社員のためになれる、

とは限らないかもしれない

自分のスタイルを守る事と

会社を守る事は

ぜんぜん別のことがらです

そのときはルーズベルトになれなければ

会社は潰れるかもしれません

でも、私はルーズベルトのようには

なれないかもしれない

そこは当社の弱点の一つなのかもしれません


フーバーの「裏切られた自由」

上下巻で1300ページもあって

2冊で、なんと2万円!近くします

読むと2万は安い、と思う内容です

訳者の渡辺惣樹氏が

「『裏切られた自由』を読み解く」

というダイジェスト版も出してます

こちらは¥1,000で、

もっと恐ろしい内容も含んでます

ヘタな怪談話より恐ろしいので

心して手に取ってください

ありがとうございました

株式会社J-one

代表取締役 島田逹己


2021.11.19
自己肯定

こんにちは

いつもありがとうございます


日本の経済のお話や

日経ビジネスっていう雑誌があります

経営者の談話や

時事のビジネストピック

それらをまとめた週刊誌です

とっても勉強になるので

私30年読んでます

日本で唯一の経済新聞

日本経済新聞の系列ですから

いろんな方面へ人材を網羅してるのでしょう

記事は正確ですし

情報も早く、

大きな買収案件が表になった後とかに

「実は・・・」

みたいな、ウラの事情もくわしいです


精神論みたいなことも書いてくれるので

勉強になりますが

1点だけ、眉唾で読む内容があります


記事的には素晴らしいのですが

先の見通し、っていう点では

失礼ですけど、ちょっとダメ

まあビジネス誌ですから

「現在」の説明に終始するのが当たり前で

先を読むような報道はできないでしょう

ですが

否定をする必要もないのでは?

そういう記事もありました


15年くらい前だと思います

当時アメリカで急成長中

ですが、利益を上回る先行投資で

毎年大赤字の会社がありました

日経ビジネス誌はクソミソ

「こんな会社、先行きがない」

「バブルのような泡沫」

そんな扱いの記事でした

その会社、アマゾンです

当時、利益どころか

売上額以上の投資をしてたし

その無謀を投資者が許してた

許すどころか

一時的にアマゾンが利益を計上したら

投資家は

「利益を出すくらいならその分先行投資しろ」

なぜなら、

アマゾンのビジネスは未来があるから

「先行投資で競争者を排除しろ」

でも日経ビジネス誌は、クソミソ

その5年後くらいの記事でも、

「将来に疑問がある」書き方でした

いくら日経ビジネスさんでも

今はそうは書かないのでは?


やっぱり15年くらい前の話です

当時のソフトバンクを

「山師の集まり」

「先の不安な不安定ビジネス」

日経ビジネス誌はそう評価してた

大きい負債を抱えて

携帯キャリアを買収したからです

当時、KDDと電電公社が携帯で大儲け

個人的には、

なぜ公正取引委員会はこの2社を

価格カルテルで訴えないのか不思議でした

今もそうですが、当時も

そのくらいボロ儲け

私の類推ですが

電電公社は勤務の公務員数が大きかった

そのまま民営化すれば、立ち行かなくなる

だから政治的配慮が働いて

電電公社にスリム化するまでの猶予と利益を

政府が与えた

だけど1社だけ儲けさせると批判が出るから

民間から1社同じことをさせた

いわば政府が利益を保証してたようなものです

その2社を見ていたソフトバンクが

金のなる木を借金で買った

今なら誰だって、借金さえできるなら

孫さんと同じことをするでしょう

今、楽天さんも同じことをしようとしてます

当時

日経ビジネス誌は、その負債にばかり目が行き

先行2社の、巨利のなぜ、を見てない

その後

ソフトバンクは携帯キャリアを

キャッシュマシーンに仕立て上げ

更なる急成長を遂げ

将来の成長分野であるIT関連

それも情報インフラ部門を強化

はてはアームまで巨額買収

ソフトバンクは重要な場面では

危険な投資をしていない

将来にわたって安定収入をもたらすとわかっている

安全なインフラ方面へ巨額買収を仕掛け

ちょっと危ないかも方面は身の丈のうちで投資

チャレンジングな会社ではあっても

けっして無謀な会社じゃない

でもその後も何度も日経ビジネス誌は

やっぱり「山師」あつかいしてましたが

今はどう評価してるのか

当時の編集者の方に聞いてみたいです



私が読み始めくらいの時に

ダイエー特集やってて

ダイエーのビジネスモデルの解説や

そのカリスマ経営者の立志伝

かなり持ち上げてた

私、うのみにして

すごい会社だと思いました

その記事掲載後、まもなく不振

その数年後にダイエーは倒産

多くの会社と社員に多大な迷惑をかけました

おそらく、特集の頃には

すでにビジネスモデルが揺らいでたはずですが

日経ビジネス誌はそれを感知してない

なぜならダイエーの倒産は

急な出来事に巻き込まれたのでもなく

社員の不祥事があったわけでもなく

ただ、

ビジネスモデルが古くなったにもかかわらず

転換ができなかったことが理由だからです

やっぱり先を見てない


こういう大手の編集者は

優秀な大学を出た優秀な人たちでしょう

でも先を読まず

現状しか分析しない

いつも仕事での取材先は大手安定企業だから

仕事にそういうバイアスがかかってるのでしょう

そういう大手安定企業が

仕事の基準になっているし

自らが属するのも大手安定企業

「自分を肯定したい」

人間誰でもそうですね


当社は

経済の流れに浮く枯葉のような

瑣末な企業ではありますが

だからこそ見えることもある

どう流されるかわからない

だからこそ

先行きには敏感ですし

流れの先を見て

準備と覚悟を用意します


私も日経ビジネス誌と同じです

つまるところ、自己保身

自分を肯定したいんです



ありがとうございました


株式会社J-one

代表取締役 島田逹己


2021.10.09
インフレとダイヤ品質

こんにちは

いつもありがとうございます


食料品などがかなり値上がりしてますよね

もともと日本は安かった、って

そう言う人もいますが

日本では収入が上がってないんだから

文句も言いたくなります

実は

「金」も「プラチナ」も値上がりしてます

金価格は世情を反映して

テロや不穏なことが起きると

値段が上がります

もう20年も国際価格は

値上りをつづけていて

2001年の8倍

2001年平均価格は 271ドル

2021年10月5日現在は 1759ドル

そうです

2001NY貿易センターのテロ事件を境に

世界が変わったんです


それに

100%輸入ですから

円が弱くなれば

直接価格に影響します

2年前でも ¥5,000

現在、約  ¥7,000

これはドルベースチャート図(5年)

円安の影響がわかります

食料品も同じ影響を受けてると思います


この金の価格は

ジュエリー業者に大きな影響をもたらします

輸入食用油(大豆)の値上がりで

マヨネーズが値上がりしますが
マヨネーズの製造原価のうち

食用油の占める%って

おそらくですが

ジュエリー価格のうちの金の%よりも

少ないと思います

でもジュエリーって

値上げできないんですね

顧客であるブランドさんも

値上げにはとても慎重です

消費者マインドをよく見極めます

だから私たちメーカーも

原材料価格が上がっても

納品価格は上げられない

じっとがまんです


お菓子とかは

「ステルス」値上げできるんですね

内容量をこっそり減らすんだそうです

ウチはムリ

金の使用量減らしたら

お客様にウソをつくことになってしまいます

ダイヤモンド価格も変動します

コロナで世界的に需要が減って

ダイヤ価格って安くなった?

そう思います?

実は下がってません

確かに一時的に需要が減りましたが

中国は減っていませんし

アメリカも日本ほどは減ってません

たしかに

インドの研磨業者は苦境に陥って

倒産した会社もあります

でもそれは

コロナ前にインドの銀行が

ダイヤモンド業界への資金供給を絞ったからで

(アメリカで無茶したインド人がいたんです)

コロナの影響は大手には僅少

それに、みなさんご存知のダイヤモンドカルテル

「デ・ビアス」の原石需給調整は有効でした

ですから

ダイヤ価格は変わりませんでした

むしろ

中国、アメリカのマーケットの強さから

3ヶ月くらい前には

原石価格を値上げしていて

研磨済みダイヤ価格も上昇しました

やめてほしいです

その値上げ、

私たちメーカーがモロにかぶるんですから

じっと、じっと

がまんです

おねがいですから

クリスマス前の大量の納品前に

円が弱くなったり

ダイヤ原石価格を上げないでください


でもね、

ダイヤの方が、金より

メーカーの工夫の余地があります

金の含有量減らすって

かなりの強心メーカーじゃないとできませんが、

(バレたら取引停止どころか訴訟問題だからです)

ダイヤの品質を

「ステルス」で落とすって

よくあることです


日本のダイヤモンド輸入業者さんから

最近聞いた話です

「コロナになってから

 納品価格がまた下がった」

「¥20,000/ct以下が普通」

ようは

メーカーが、使うダイヤの品質を下げて

コストダウンで利益を確保してる

そういう意味です

ウチは絶対にしません

ウチは得意先企業と品質の約束をしていますから

絶対にできない方法です

それに

ダイヤの仕入れは私がやりますが

ダイヤの品質確認と出庫、製品の検品は

私がやるのではなく

専門の社員さんにお願いしてますので

「ホラ吹いてね」

「目をつぶってね」って

お願いできません


お客様と品質約束していないメーカーさんなら

ダイヤは工夫のしどころがあります

品質だけじゃなく、いろいろほかにも

工夫のしどころは、あります

ウチは職人を抱えて外注をしない「プロ」なだけに

その方法はわかります

ただやらないだけです


ひとつ、現実を指摘しておきます

ネット通販で有名な、あるネットモール

ここのジュエリー売上上位リスト

ここにいつも掲載されているショップさん

 0.15ct SIクラス G,Hカラー Goodカット

この品質のダイヤモンドを用いた 

K18 ネックレスの販売価格が

¥31,790・・税抜きは¥28,900

ここからモールの販売手数料13%を引くと

¥25,143

このモールでは、他にもコストがかかります

出店料だけでなく

出店者の意思にかかわりなく勝手に出す広告料、

種々のシステム使用料、決済手数料、ポイント料金などが

勝手に引き落とされます

これらは合計すると製品販売価格の10%にも及びます

仮に8%しかかからなかったとしても

販売価格の8%を引いて

¥22,831

さらに

販売店さんは買ってくれたお客様に送る送料と

パッケージ費用も負担します

送料は最低でも400円

パッケージは削減して300円として

のこり ¥22,131

¥22,131円以下で仕入れなければ

ショップさんに利益はありません

さてこの製品の製造原価です

この品質のダイヤ

インドで直接仕入れても、1つ¥13,000

当社以外ほとんどのメーカーは

輸入業者を通します

小売店さんでインドで仕入れができるかどうかは

疑問ですが

このショップさんは直接仕入れをしたとします


チェーンだってK18なら今の相場では

どんなに安いチェーンでも

最低限度¥5,300

工賃だって

どんなに安くたって¥2,000では

今の日本人の給料でできない

ダイヤの周囲のK18の枠は

見たところ0.2gくらいですから

製造原価で¥1,300

残りは¥531


メーカーだって販売店さんに

持参することはないでしょうから

送料はかかります

それは無視するにしても

メーカーだって利益なしでは運営できません

修理が来れば対応しなければならないし

納期問い合わせや発注などの人件費がかかります

ですが採算度外視して、

販売協力金まで提供して

500円の手間賃で販売したとします

数々の製造コストを最大限無視して

ショップさんの販売利益は

¥31

ありえます?

実際の流通では

品質表示が正確だったとして

最低限仕入れ価格で ¥25,000

ですから

もしこの品質表示が正確なら

こちらのショップさん

ひとつ販売するたびに

¥3000円損して販売していることになります

そんなことはありえません

だれかがどこかで

工夫を施している例です

ほかは知りませんが

事情はどこの業界も同じなのでは?


日本では

作るってことに

加工貿易で成り立っている国なのに

付加価値を見ていません

日本人だから

ていねいな仕事ってあたりまえ

正直ってあたりまえ

相手を思いやるってあたりまえ

そういう前提で

製造業を見ているとおもいます

ですが

作り手が減る今

政府が製造をないがしろにする今

イメージだけで本質を直視しない今

その根本を問いただすべきでは?

すでに

医薬でも、電子技術でも

IT,AIはおろか

産業の多方面で中国にすら劣る現在の日本


「日本製」の威光が命脈を保つのは

あと数年で

「日本製は信頼できない」

そう言われる日が来るのでは?

そう思わずにはいられません


ありがとうございました

株式会社J-one

代表取締役 島田逹己

http://www.j-one-net.com/


2021.10.09
SF小説

こんにちは

いつもありがとうございます

小説にもいろんなジャンルがあります

女性は恋愛小説がお好きでしょうし

歴史小説も固定ファンがいます

ハードボイルドも歴史は浅いですが

ファンは多いですね

最近は流行りませんが

昔は観念小説って呼ばれる部類もありました

純文学っていうのも

まだ生き残っています

その小説のひとつのジャンル

SF小説ってお読みになります?

私はわりと好きで

時々読みます

やっぱりファンが多いらしく

本屋さんでは一角を占めています

SFのおもしろさって

現実にはありえない設定から

現実を改めて考えさせるところ、

だと思います

小説ではなく映画ですが

「ブレードランナー」のおもしろさは

あの未来感、っていう人もいらっしゃいますが

多くの方が感動するのは、

寿命を設定されたアンドロイドが

死のまぎわに命を知るところ

ではないでしょうか?

まさにSFならではの設定です

個人的に好きなのは

レムの「ソラリスの陽のもとに」

これもありえない設定から

人間の心を覗かせます

だれでも未来を想像するって

ありますよね

この「未来を想像する」

社長の仕事でも

そういう部分もあります

社長の最も大切な仕事

それは

「未来の売り上げを作ること」

ですよね?

だからです

社長の立場の人が

今の売り上げに満足することって

ありません

欲が深いからじゃありません

今の売り上げは、

今のヒット製品は、

近い未来に消滅する


それを知っているから

未来の売り上げを創造しようとするんです


どんなヒット商品も

どんな大きい売り上げも

未来永劫続くってことは絶対に、

ありません


あのアマゾンだって

30年後どうなっているか

だれにもわかりません


げんにコダックだって

30年前に倒産を予測した人はいませんし

PC9800が

30年後になくなっているって

予測できた人はいません

今日と同じ明日が来る

そう思っている社長はいない

と思います


私も未来を想像し

会社の未来を作ろうとします

どう社会が変化していくのか?

お客様の好みは

どちらに向かうのか?

会社を取り巻く状況は

どう変化していくのか?

でも自分の頭だけでは

予測に限界があります

だから

世に出る未来の予測本はほぼ読みますし

過去を知ることで

未来を知ろうとしますから

歴史や地政学の本

は常にあさります

歴史は繰り返します

正確には

螺旋状に繰り返すそうです

地政は変化しません

固有の条件から起きたできごとは

また未来に起きる

そういうことから

未来を知ろうとします

そして未来の売り上げを作ろうとします


世の社長さんはみなSF作家

未来をかいま見て

今の現実に足りないことを認識し

そして

未来のために行動する

ね、同じでしょう?

こう考えると社長の仕事も

少しロマンチックに思えませんか?

ありがとうございました。


株式会社J-one

代表取締役 島田逹己

http://www.j-one-net.com/


2021.09.01
支持率

こんにちは

いつもありがとうございます

新聞見ていて思ったのですが

内閣の支持率って

おもしろくありませんか?

何の意味があるのかな?

そう思いませんか?

支持率が高かろうが

低かろうが

政権の継続、もしくは交代に

法的な根拠は与えないでしょう?

だから支持率が下がったって

気持ちはダウンするかもしれませんが

関係ないのでは?

支持率って

内閣の業績だって反映してないでしょう?

だって政治の業績は、

国が成長したのかどうかは、

少なくともその数年後じゃなければ

わからないからです

支持率は

その時の雰囲気は伝えるかもしれませんが

首相の実力を測っていることはない

現に過去の首相でも

大衆アピールがうまければ支持率が高く

へたなら低いはずです

芸能ニュースじゃないんだから

首相の人気投票やって

それが大手新聞のニュースになるって

おもしろくないですか?


会社の場合、

社長の支持率調査

やってる会社、あるんでしょうか?

聞いたことがないので

おそらくですが、

上場企業でもあまりないのではないでしょうか


社長の仕事って

細かいカイゼンを積み重ねることや

社内の効率化

社長自らの営業活動なども

もちろん社長の業務だと思いますが

社長の最も大切な仕事は、

社長にしかできない仕事は

「未来の売上を作ること」

未来の売上を作るために

新しいことに挑戦しているときは

その事業は赤字ですし

新しい仕事は

既存の仕事に慣れている社員さんの

不満のもとです

その挑戦の時に、支持率調査しても

結果は明らかでしょう

政治のことはわかりませんが

会社の場合

社長が今取り組んでいることの結果は

数年後に成果が出ることが多い

私の場合でも

皆さんにご理解いただけたのは

やっぱり10年後

別会社でネット販売の会社に挑戦した時

最初の5年は鳴かず飛ばずで

当時社員さんは全員反対してたと思います

でもこのコロナで

新規事業の重要性を

皆さんにご理解いただけたと思います


未来を作ること、は

政治でこそ大切なのでは?

2500年前から

「100年先を見ろ」

って言われてたのですから

だから思うのですが

今を問う支持率調査って意味ない

やるべきは

内閣の施策の5年後を追うことです


アメリカの大統領も

現役時の大衆の受けと

歴史が評価する業績は

関係ないそうです

リンカーンなんかは

神経質で友人にしたいタイプではなく

隣には住んで欲しくないタイプだったそうです

側近からも親しまれてはいなかったそうです

でも、その評価は人気ではなく業績で

歴代最高の大統領と認められています

反対にアイゼンハワーは

「アイク」「パパ」と呼ばれて

軍と大衆の支持率抜群だったそうですが

後の世から評価されていません


改めて考えてみても

内閣支持率調査って不思議なのですが

こんなのがニュースになる理由は

総理大臣を誰にするのか

決める過程が不透明だからでは?

自民党総裁が首相になる

その総裁は民主的に選ばれているわけではありません

いえ、

総理を直接投票で決めろって

そういう主張ではありません

直接投票になると

もっと不適切な人が選ばれるでしょうから

決定の過程が不明確だから

人気投票がそれなりに意味を持ち

不人気になると交代説が出る、

そう思うのです

不人気になると政権交代って

芸能番組じゃないんだから

不毛な話です


総理大臣って辛い仕事だと思います

なぜって

部下と目的を共有できないからです

部下の思惑は

首相と一致してません

一般的な組織では考えられません

内閣を組閣することはできても

その人選は派閥の論理で決まり

政策の共有ではないようです

また

実際の政策を練り、

実行する事務方の人事こそ重要ですが

その事務方の人事任命権が内閣にない


社長なら、民間組織なら

ありえないことです

重要なポストには、志を同じくする人に

同じ未来を思い描く人に、

就てもらわなければ仕事になりません

昨今のコロナ対策を見ても

総理の意向とは別に

対策を実施する官僚の思惑は

別の方向を向いているように見えます

いくら首相が

「7月までのワクチン接種率70%」

なんて言っても

官僚組織は自分たちの決めた方法を変えてまで

首相の意向に沿うようにしよう、とは

考えていないように見受けます

思うに

各省の事務次官は、

総理をボスって思ってないのでは?

今の地位は総理に任命されたから、ではなくて

官僚組織の論理に従って

自らの意思と力で組織の階段を登りつめた

「自分の業績」

そう思ってるのでは?

だから

「自分がボス」って思ってるのでは?

そういう論理を持つ事務次官は

形の上でのボス、総理の指示よりも

組織の論理を優先するのではないでしょうか


命令に従わない部下

意識が違う部下、を持てば

仕事にならないので

結果が出るはずがありません

民間組織ならありえません

つくづく日本の政治って

特殊なんだなって思います

「経済1流、政治3流」

自嘲するのによく使われるフレーズですが

政治3流というより

政治組織のあり方が3流なのでは?


経営の神様と言われる

ドラッカーを勉強していた時

最初に「5つの質問」を勉強しました

「お客様は誰か?」

「お客様は何を求めているか?」

かんたんそうに思えるでしょ?

でも意外と漠然としているものですし

自分の欲が入り込んでいるものです

これを突き詰めて考えましたし

その結果を組織で表しました

これって考えてみれば当たり前の話で

「目標を明確にする、共有する」って

組織にとって基本のき

ところが

日本の総理にはこれができない

能力の問題ではなく

できる組織になってない


日本の内閣って

自分で政策を決めることができずに

責任だけ取る

民間では

そんな社長さんって自殺ものでは?


次の首相

誰がなってもいっしょです

方針を策定するのは首相でも

政策を決定するのは官僚

その官僚は勝手に動くのですし

内閣の方針など

面従腹背

民間なら倒産まちがいなしの組織です


中国の政治組織を

日本では非民主的だと表現しますが
{

日本の政治組織は、非論理的

非民主的でも

効果を発揮できる方が

非論理的よりマシだと思うのですが・・・


自分の会社組織においても

効率的である以前に

意思の統一ができる組織でありたい

そう思います

ありがとうございました


株式会社J-one

代表取締役 島田逹己

http://www.j-one-net.com/


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